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定年再出発  

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冬のソナタの秘密7

初恋幻影

特番を作るために、「冬のソナタ」を見た人の手紙1万通余りを読んだことがある。
その中で、不思議に思ったことがある。
 特に中年の女性(40、50代)からの手紙に多かったのだが、このドラマを見ると若い頃のことが懐かしい、高校時代を思い出して胸がキューンとなったと書いているのだ。その数は百や二百でない、三桁以上の女性が書いている。こんなに大勢の人が純愛を体験しているのだと感心しながら、一方腑に落ちなかった。
 ある機会があって、何人かにインタビューした。「うらやましいですね、そんな体験をお持ちなんて」と尋ねると、「全然ありません」「そんなことはありませんでした」と答えるではないか。
 体験したことなどないのに、「冬のソナタ」を見続けているといつしか自分が体験したような気になるらしいのだ。私はそれを「初恋幻影」と呼ぶことにした。この傾向は圧倒的に年長の女性に多い。
 ある女性は自身を振り返って、こう分析している。
日本の女性は年々強くなり、仕事ではキャリアを求められ家庭では賢い妻、良い母を演じさせられてきた。気付かないうちに、胸の奥に哀しみやつらさをしまいこんで鎧(よろい)をきていた。誰からも褒められることもなく認められることもなかった。そんなときミニョンさんの笑顔を見ると肩の力が抜け、切ない場面で涙が滂沱と流れてくる。その涙は心の奥にたまっていたいろいろな想いを洗いながしてくれるのだ。…

 昨年4月、ぺ・ヨンジュン氏が来日したときの騒動を、マスコミはいい年をして女子高生のような黄色い声をあげてとからかっていた。年がいもなくのぼせあがってと冷笑を浴びせていた。
 彼女たちの心の背後に女性の置かれた苦しい立場を読み取った記事は皆無だった。

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# by yamato-y | 2005-02-27 20:47 | 冬のソナタの秘密 | Comments(1)

新しい番組を構想して

少年の日に

 早春が近づくと思い出す詩がある。

小道がみえる
白い橋もみえる
みんな
思い出の風景だ
然し私がいない
私は何処へ行ったのだ?
そして私の愛は


矢沢宰という21歳で亡くなった“少年”が書いた最後の詩だ。彼は腎臓結核のため入退院をくりかえし、三度高校復学を願っていた春3月に逝ったのだ。最後に書いた詩であるらしい。
今朝のように、夜来の雪もあがって融けた日は大気が澄んでいて陽光がまぶしい。乾いた道がひときわ白く見える。矛盾した言い方になるが、そんな道は現実というより心の中に浮かぶ道のように思える。――矢沢少年も末期の中で見ていた道。
彼が亡くなったのは昭和41年。私が大学に入った年だ。その翌年、出たばかりの詩集「光る砂漠」をプレゼントされて読んだ。同世代のあまりに早い死にその彼が書いた美しい詩に惹かれた。
 長くこの詩のことを忘れていた。定年をむかえて本を整理していて詩集を見つけ手に取り、そして思い出した。詩の美しさのみならず矢沢宰という人の美しい生き方にも心を奪われたことを。こんな生き方(死に方)をした日本人がいたということを若い人たちに伝えたい。番組にしたいと考えている。

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# by yamato-y | 2005-02-27 12:46 | 新しい番組を構想して | Comments(0)

冬のソナタの秘密6

メロドラマ論のつづき

1943年頃公開されたアメリカ映画「深夜の告白」は殺人メラーと呼ばれた。メラーとはメロドラマのスラングだ。当時、アメリカ映画におけるメロドラマとは「アクション、冒険、スリル」を中心とする男性的な映画を意味したそうだ。(『映画/言説の文化社会学』岩波書店)
 その後、70年代に入って映画研究家の中でメロドラマはロマンスや家庭生活を中心とする女性的なジャンルと見られるようになった。
 メロドラマ「冬のソナタ」にもメラーの名残りがあることを知っているだろうか。崖にぶら下がるという意味の「クリフハンガー」のことだ。これは連続活劇をさす業界語だ。主人公が危機一髪というところで終わって、続きは次回作でということになる。そういう手口をハリウッドではクリフハンガーと呼んだそうだ。
 冬ソナは連続活劇ではないが、連続ドラマとしてその精神を受け継いでいる。心理的に「崖にぶら下がる」というシーンは必ず最後に出てくる。続きが気になってならないという思いにユン監督は引っ張っていくのだ。

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# by yamato-y | 2005-02-26 22:45 | 冬のソナタの秘密 | Comments(0)

ブログコミュニケーション

 

瓶(びん)の手紙

名も知らぬはるか彼方より流れ寄る瓶の手紙――ブログに書き込むことは、大海に手紙を入れた瓶を流すようなものだと思っていた。あてなどないが、何時か誰かが偶然流れ着いた瓶に気がつき、その中の手紙を読んでくれるようなことだろうと想像していた。
 ところが、ブログを始めてわずか10日足らずでこの「瓶の手紙」を読んでくださる人が300いると知って驚いた。気まぐれな手紙ではなく読者がいることを覚悟したメッセージを送り出すべきだと、自分を叱咤する。
 定年までの30余年間、放送という巨大だが顔の見えない視聴者と向き合ってきたが、このブログという手段はそういう限界をぶち破る可能性に満ちたものだということを実感する。


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# by yamato-y | 2005-02-26 22:42 | ブログコミュニケーション | Comments(2)

夏の香りチェック

 「夏の香り」チェック

 「夏の香り」の第7話まで見た。この作品は「秋の童話」に比べて、格段に「冬のソナタ」に似ている。
脚本家が同じだからかもしれないが、人間関係のとり方などあまりにも似ているので驚いた。これが「冬のソナタ」の前に作られていれば、「夏の香り」は冬ソナの練習作だったと考えるところだが実際は違う。冬ソナを終えてこの夏の香りにユンさんは取り組んだ。最後まで見ないと何とも言えないが、ユン監督はなぜ冬ソナと同列の作品を作ったのだろうか。

 「夏の香り」は「秋の童話」に比して悪意が少なく見ていて後味が悪くない。主役二人を取り巻く人々も底意地が悪いわけでもない。運命のいたずらで二人は翻弄されるとしかいいようがない。美しい自然の中で二人の思いや他の人の思惑がさまざまに交錯するのだ。
 「美しい日々」にしても「天国の階段」にしても、評判の韓国ドラマは韓国の海浜や山林を借景にして撮ってもいるが、ユン監督作品のように存在感があるわけではない。あらためてユン監督の力量に感心する。
画面を見た途端、その世界に引きずり込まれてしまうのだ。なぜだろう、韓流でたくさんの韓国ドラマが今紹介されているが、ユン監督作品ほどの磁力はない。意表をつくカットの繋ぎや回想を軸にした話の転換など見ているうちにユンさんのパターンが見えてくるものの、分かっていてもその世界にはまっていく。
 観客は単に見るのでなくその世界に入りこみ登場人物と喜びや悩みを共に味わうのだ。

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# by yamato-y | 2005-02-26 18:38 | 夏の香りチェック | Comments(0)


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