それ以前それ以後
漫画の世界でそれ以前それ以後と目される人は3人しかいないのだと、漫画研究家から教えてもらった。手塚治虫、赤塚不二夫、大友克洋だ。つまり手塚以前手塚以後、赤塚以前赤塚以後、大友以前大友以後という表現になるのだ。
手塚が現代漫画の元祖だという考えは近年見直しされているそうだ。彼自身は戦前の漫画やディズニーの技術などから大きな影響を受けているのであって、すべて手塚から現代漫画の要素が作られたわけではないという見方が主流になりつつあるも、やはり、「新・寶島」で衝撃を与え、ジャングル大帝、鉄腕アトムである時代を作り上げた功績はきわめて大きい。やはり、手塚の出現以前と以後では漫画の世界が大きく変わったということはいえる、という意味で、「手塚以前手塚以後」は衆目の認めるところだ。
同様に赤塚の存在も凄い。ギャグ漫画は彼の登場によってガラリと変わった。それまではユーモア漫画というものはあったが、赤塚はファルス(笑劇)な要素からナンセンスなギャグまで取り込んだぶっ飛んだギャグ漫画を確立した。
以上の二人は故人となった。
大友は現在も活躍している。彼の緻密な絵と壮大な構成は、それまでの漫画の世界を大きく変え、ある意味では映像と伍するほどの作品世界にまで仕上げた。
石ノ森章太郎は、藤子不二雄は、ちばてつやは、梶原一騎は、漫画界を変えた偉大な人たちとはいえないのかと聞いたが、研究家の答えはノーだという。しいて言うなら山上龍彦(がきデカ)の以前以後がサブのランクとしてあるかもということであった。
漫画論も今日進月歩で進化しているようだ。これから少し調べることが増えるだろう。
面白いのは、例のトキワ荘グループは手塚さんの因子を受け継いでいくのだが、直接の弟子やアシスタントではない。手塚はアシスタントを育てるということには成功していない。
比べて、ハチャメチャだった赤塚からは高井研一郎をはじめたくさんの有名漫画家を輩出している。誤解を恐れずに言えば、手塚治虫はジコチューだったが赤塚不二夫は心底やさしかったからではないだろうか。
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