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逝きし世

逝きし世

昨夜、「七人の侍」を見た。すぐれた映画だということをあらためて思う。モノクロームの画像はドキュメント風ではあるが、あれを戦国時代のリアルだとは思って見ていない。ただ、こういう物語の叙述はありうると納得しながら見ている。見る者を納得させる映像であり物語をクロサワは提示している。

収穫期になると襲ってくる野武士に苦しめられる百姓。その百姓が知恵をしぼって七人の侍を雇い、その力を借りて撃退する物語。最終章で、侍のリーダー志村喬は勝利したのは武士ではなく百姓だというようなことを呟く。したたかな農民、という理念だ。
ところが、大隠の歴史家渡辺京二によれば、侍と百姓にはくっきりとした区別はないという。
《武家領主階級と対立し死闘する農民階級などというのは、マルクス主義史学者の脳中にだけ存在した虚像にすぎない。》武家領主というのは、百姓が成り上がったものにすぎないというのだ。
菊千代の三船敏郎は志村たち侍から一つ外されているように描かれているが、渡辺説によれば、もしああいう状況であれば、実体は七人のなかに階層はない。さらに、百姓と侍の差もないということになる。クロサワもやはり当時流行っていたマルクス主義史観に捉われていたことになる。

渡辺京二という九州在住のこの作家が注目されたのは、名著の誉れ高い『逝きし世の面影』だ。
幕末に日本へやってきた外国人たちは、明治になり、自分たちが知っている古き日本は滅んだという。その言葉にそって、渡辺は古き日本を復元してみせた。それが『逝きし・・』である。そこに紹介されることどもはまさに眼からウロコだ。
アメリカ人のモースは日本の家屋の簡素なことに驚いている。家具などまったくない、空き室のようなものだと見ている。神棚と水屋があって、やかんの載った火鉢と、竹で編んだ花筒があるだけだったという。欧米であればごてごてした家具が部屋中にあるのだ。この日本の簡素さを外国人たちは馬鹿にはしていない。むしろその簡素さに美学があって、スパルタ的な習慣に憧れてさえいる。

簡素だから労働も最小だ。仏人ブスケは日本の労働者は聡明で器用で我慢強いが、必要なもの以外はもとうとしないし、大きい利益を得るために疲れるまで労働しようとしないとみた。近代資本制産業には日本の職人はまったく不適と思われたのだ。現代日本のサラリーマンから見れば信じられない「逝きし世」だ。だが、よく考えると昔からの伝統を継いでいるのは、フリーターやニートということになるかな。
イギリス人で長く東大の教師であったチェンバレンがこんなことを言っている。「日本には貧乏人は存在するが、貧困なるものは存在しない」
一国の総理が仕事半ばで投げ出すなんて恥ずかしい、なんてことはひょっとすると、アングロサクソンの美意識であって、古き日本では大店の若旦那が家業が嫌で逃げ出すなんてことはよくあったのじゃないか。アベもフクダもまさに伝統主義者じゃないか、と思いたくなるぐらい、『逝きし世の面影』のマジックはすごい。

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by yamato-y | 2008-09-07 11:41 | Comments(0)
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