わが内なる霧の風景
自慢じゃないが、血に弱い。出血するとすぐ気持ちがへたる。
手術の光景などぜったいに見たくない。メスが体を引き裂くという光景など金輪際嫌だ。
今朝早くから横浜パシフィコで開かれた第11回世界内視鏡外科学会に行ってきた。昨日から始まっている。世界中の内視鏡手術を担当する医師たちが集まって、新しい知見のあれこれを交換するのだ。
今年の発表の目玉が、私のお目当ての取材である。3D手術の報告だった。立体映像を駆使した内視鏡手術の模様がおよそ1時間にわたって報告された。
内視鏡を通じて、胃がん手術の様子がスクリーンに現れる。最初の執刀あたりは気持ちが悪かったのだが次第に慣れていった。
内臓はもつ鍋の具のようだ。内臓の間の細い路地を3Dレンズが走り回る。立体映像はすごい。まるで深い谷間に入り込んだような光景だ。
感動したのは、雨というか霧が降るのだ。体の水分なのか、内臓を洗う水なのか、白いしぶきのような粒子がさーっと降ってくる。美しい。
私の体のなかにも、あのような霧が降っているのだと思うと呆然とする。人体の神秘ははかりしれない。内臓全体が心臓の鼓動に合わせて規則正しく動いている。美しい。
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