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愚直にして超絶な取材法

愚直にして超絶な取材法

テレビの世界に身を置きながら私は番組制作が専門だから、いわゆる報道のことは存外知らない。特に、記者という人たちの方法論というのは分かっているようで分からないことが多い。横山秀夫の傑作『クライマーズハイ』は御巣鷹山に墜落したジャンボ機事件を背景とした、地方紙の記者たちの物語で、これを読んで報道記者たちの矜持とか方法というものを初めて知ったことがたくさんあった。

以前から「夜討ち朝駆け」という記者が警察や検察の幹部を朝晩訪れる取材というのが、なぜそんなことをするのか理解できなかった。事件発生した直後の深夜や早朝に記者たちが訪問して何か変わったことがありませんかと問いかける取材というのが、いかほどの意味をもつのか、少なくとも気休めとしか思えない”取材”にエネルギーを費やすことが分からなかった。

横山の小説のなかで、2つのヤマ場があるが、最初のヤマ場にあたるのが、墜落原因の「抜きネタ」を得たときのことだ。主人公である群馬の地方紙「北関」のデスク悠木。彼のもとへ新人記者玉置が事故原因に関するあるネタを持ち込んでくる。事故調査委員会が原因は機体後部にある圧力隔壁が破裂したと考えているという話を聞き込んできたのだ。それまでまったく言及されていない新しい説だ。これが真実であれば大スクープとなる。この話が本当かどうか確証をとる、つまりウラ取りをやることが、この特ダネを物に出来るかどうかを決めるポイントとなる。ところが、ネタを掴まえた玉置は理系の出身で工学的なことには強いとしても、記者としての経験は浅い記者だ。デスクの悠木はこの裏取りをベテランでサツ回りの経験豊かな佐山に当たらせることにする。ここで、ベテランのもっている夜討ち朝駆けの体験ノウハウが生きてくるのだ。

 悠木デスクは佐山に事故調査委員会が宿泊しているホテルに潜入して、首席調査官に「事故原因は圧力隔壁の破裂か?」という質問をぶつけるよう指示する。このきわどい取材方法を横山はこう説明している。
《まともに答える公務員などいない。だからイエスか、ノーか、その感触を瞬時に掴み取るのがウラ取りの技ということになる。》
上の質問をされて、調査官は「ぼくは知らない」とか「それを決定するのは、他の人だ」とか答えるだろう。その答えた内容が意味のあることではない。その答えをするときの態度、様子、もしくは言外の表現などの感触を、職業的直感で真実は奈辺にあるかを判断する。これがベテラン佐山に与えられた任務だった。

そして、実際に佐山は首席調査官にこの質問をぶつけ、これは真実だという心証を得る。そのことを悠木デスクに伝えてスクープとして発表してもいいと進言するのだ。ところが、佐山は最後の最後の段階でこの特ダネを諦めるのだ。その理由は、サツ回りでの心証なら普段付き合っていてその人物の「表現」が把握できるが、事故での急な担当官ではその人物の「表現」は真実か否か危うくなると、主人公の悠木は考えて、(無意識に誤報することを怖れて)このネタをボツにしてしまう。

不思議な手法だ。ニュースという一分一秒を争う場では、こういう取材の仕方があるのだ。
テレビ”番組”の世界では、首席調査官に質問をぶつけて、「ぼくは知らない」などという発言しか撮れなかったなら、この映像は意味のない映像にしかならない。否定はしているが、事実は質問するあなたの言うとおりと言っているという表現内容にはならないのだろう。だから、ドキュメンタリーの番組であれば、こういう取材対象から受ける心証で結論づけるのは困難だと思われるが、記者の世界では、普段からの関係性のなかで発言内容の真偽を計るということをやるようだ。

この手法は、番組でのインタビューにすぐ応用できるわけではないが、何か参考になるというか使える手法だとうっすら思う。

こうなってくると、普段の付き合いが大事になってくる。人間的な付き合いをしているからこそその人物の性格や特徴が把握でき、そこから類推して、話していることが事実かどうかを見極めるのだ。

友人からこの「クライマーズハイ」を熱心に勧められて読んだ。「半落ち」などで作者の横山秀夫はうまい人だと思っていたが、これほど緻密に構成する作家とは思わなかった。とにかく面白かった。

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by yamato-y | 2008-08-25 19:36 | 新しい番組を構想して | Comments(0)
<< 月光仮面は誰でしょう スコールのような雨を浴びて >>


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