スコールのような雨を浴びて
アポの時刻まで30分。突然、雨に降られた。
様子を見ようと近所の軒先で雨宿りした。最初は歩道を濡らすほどのものだったのですぐ上がるだろうと思っていたら、雨脚はどんどん強くなる。そのうちに周囲の景色も白く霞んでいくではないか。雨がたたきつけられて、地上で跳ね返るしぶきはまるで急流のようだ。呆然と雨を見ていた。
約束の時刻が次第に迫ってくる。歩いて10分はかかるはずだから、この雨宿りから脱出せねばならない。あいにく、タクシーもいない。交番があった。飛び込んで、傘を貸していただけないかとお願いすると、交番にはカッパしかなく応じることができないと言われてしまった。
仕方なく、雨がやや小止みになったところで飛び出す。頭にハンカチを乗せてカバンをたすき掛けにして坂道を走った。木陰はやや雨が弱いが、それでもシャツはズブズブになる。
ようやく、目指す建物のところに出たが、どうやら裏口のようだ。ドアがロックされている。かたわらのインターフォンを何度も押すが誰も出ない。約束の時間まであと5分。
慌てて、表玄関を目指す。雨は依然激しい。坂道をあえぎつつ走った。
そして、約束2分前に着いた。
口惜しいことに、たどり着く頃に雨はやんだ。雲が流れていく。遠くにうっすらと青空が浮かぶ。
建物の受付に行っておとないを入れ、約束していた人物に面会を申し込む。受付の女性は濡れネズミの私を気の毒そうに見ている。
先月、買ったばかりの靴が歪んでいることが気になった。こんなことならぼろ靴で来るべきだった。それにしても、すさまじい雨だったな。降り方といい、短時間であることといい、南国のスコールみたいだった。
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