遊俳
目白の俳句クラブへ行き、句会に参加した。そこに集まったのは8人、投稿者が4、5人いて、兼題と当季雑詠の2部門で選句する”遊び”である。宗匠は小山二六斎さん。レベルの高いクラブで、集められた句も磨かれておりなかなかの作品が並ぶ。
兼題は8月らしく、炎天、朝凪夕凪、砂漠。後で宗匠に聞くと、砂漠は季語ではないが暑さを表現する、炎天とは違うものを期待したとのこと。そこで「天」位をとった句だけ披露しておく
炎天もこれでいいのだ不二夫逝く
すっきりと立ち上がってくる良句だ。私も選んだ。
兼題だけで47の句があり、一つ一つ宗匠が丁寧に読みくだしていく。その説明の的確に驚いた。
メンバーの顔ぶれはほぼ私と同世代もしくは上と思われる。私を連れて行ってくれたのは職場の先輩Tさん。彼は退職して悠々自適の68歳。悠々組が3、4人で残りは五十代後半と思われた。
今回、私はオブザーバーの立場で自分の句をもっていかなかったが、次回は投稿するよう要請された。そろそろ人前にさらすことをしなくてはなるまい。一人で作句していると「野狐禅」のように独りよがりになりがちで、かつ言葉使いもマンネリ化しがちになる。他者の目にさらすことにより鍛えられるものがあるはずだ。精神を緊張させるつもりで、この要請に応じるつもりだ。
会場はメンバーの鉄馬さんの自宅だった。2階のリビングルームで行われ、句会の2次会は階下のお店「ぽんた」へ移動し、酒盛りとなった。奥さんのぽんたさんと鉄馬さんは長年にわたり、目白で居酒屋を営んでおられるのだ。このぽんたさんは毎月100ほど作句して、俳誌に投稿しているそうだ。角川春樹主宰の句誌ではいつも上位に入選している。
宗匠もこの目白に長年住んでいて、赤塚不二夫さんとも面識があったそうだ。宗匠夫人がブティックを営んでいて、その常連が不二夫さんの2番目の妻トモ子さんで、長年にわたり懇意にしていた。そういえば、この句会の開かれた場所から100メートルほどのところにトキワ荘があったはずだ。そういう事情も重なって、今回天の句になった「不二夫句」について宗匠は楽しそうにエピソードを語った。この人はかなり熱心な俳句研究者でもある。毎月、「めじろ遊俳クラブ」を発行しているが、その誌面は充実していた。そこで知った高橋比呂子の句。
佞武多また風となる日のかぜが吹く
このクラブは青森と縁が深そうだ。他にも寺山修司のこと、太宰治のことが記事としてあった。
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