こんな生き方もある
4年前の教え子Kさんのアドレスがあったので、どうしているかなあと思ってメールを打ったら返事があった。
《一生徒にすぎなかった私の名前を覚えていてくださり嬉しいです。ありがとうございました!!先生の授業やあの時の仲間との思い出が鮮やかに蘇り、とても懐かしくなりました。先生は如何お過ごしですか。きっと毎日忙しくされている事と思います。 以下報告したい事がありすぎて、長文になります。お時間が 許せばお読み下さい。》と記されていた。
この人は愛知県出身で、中学時代からテレビの世界で働きたいと思っていて、私の授業にも出ていた。ドキュメンタリーを実際に制作する授業だが、熱心に活動していた。
実際、Kさんは4年生のとき放送局を受験したが、うまくいかずリクルート社に内定があったと報告を受けていたから、てっきりそこで働いていると思った。
《しかし4回生の後期に交換留学生としてイギリスのラボで4ヶ月間研究生活を送ったのをきっかけに、研究の世界に魅了されてしまいそのままイギリスのラボで大学院の正規過程に進む事に。この時期は私にとって人生が2度3度と激変した時期でした。研究に魅了される一方、研究を臨床で役立てたいと思うようになり、去年MPhil(修士相当)過程を卒業した後、日本に帰国して医学部に3年次編入致しました。》
なんと、この人は現在名古屋大学医学部に3年次編入し、医学の勉強に日々励んでいるのだ。凄いなあ。造作なく医学部に乗り換えることができるなんて、アタマいいんだ。
でも、まだメディアを完全にあきらめたわけではない、ともいう。
《 研究が面白いと思う一方、知識は公開され、多くの人の反響を受けながら発達すべきものであるという思いも強くなるからです。どんどん高度化する医療、研究を一般の人に噛み砕いて発信しているメディアへの興味は依然高く持っています。そしてなにより、3Dフォログラフィや量子コンピューター、iPS細胞など、【近未来】といった香りのする科学の最先端を優れたメディアを通して触れるたび、私自身がワクワクし、そうした人をワクワクさせる力に強い魅力を感じているからです。 今の野望は、最先端研究の知見を
> ふんだんに取り込んだ【生命】といった映画作りに医師として携わる事です。》
たかが客員の先生という立場の私に、これほど熱い思いを伝えてくれるなんて。こういう便りを福音というのだろう。本当に嬉しい便りだ。
私信だから最小限に止めるべきとは思うが、あまり嬉しいのでつい長く引用した。
今年の授業も残り1回だけとなった。木曜日に最終授業を行い、金曜日が発表会となる。今年の作品もまた新しい才能を引き出すことになれば嬉しいなと願いつつ。私は木曜日京都へ行く。祇園囃子が街に流れる季節。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング