目となり耳となって
3D映像という次世代の映像がある。立体テレビのようなものだ。
私はまだ見たことがない。迫力のあることが予想される。
東北の介護施設で、体の不自由なお年寄りに東北3大祭を見せたとき、つよく反応したという話を聞いた。
気になる話だ。音響もドルビーで、見ている人にとってかなり臨場感があったのだろう。
この場合、この映像のソフトは主人公があったりストーリーがあったりするいわゆる番組とはスタイルが違う。いわゆる環境映像と称される。これまで、そういう映像に私は関心をもたなかった。
だが、先の介護施設のエピソードは私の意識を動かす。
13年前の入院生活を思い出した。ベッドに閉じ込められて身動きできない。痛みがある間は、それと闘うということに意識がいっていたが、
緩和されると、退屈というかむなしいというか無聊が私を襲い責めた。窓の外を眺めて、ああ広い場所へ行ってみたい、遠いところへ行きたいという
思いがつのったことを思い出した。
全国にそういう思いを持つ病人やお年寄りがどれほどいるだろう。
その人たちの目となり耳となる映像というものがあってもいいかもしれない。しかもメディアは、525映像からハイビジョンへ、さらに立体映像へと進化している。これは、単に見るということから「体験する」というスタイルに変化していることではないだろうか。
こういう映像を必要とする場とはどんなものがあるか。この3Dを見られる機器というのはどれほどのコストが必要か。何より、お年寄りや患者はどういう映像を欲しているか。このあたりのことを調べてみたい。
例えば、私が入院しているときに行きたいと思った場所は、岡山県の備後落合という山間の駅だった。島根県や広島県と境を接する中国山地の深いところにある駅。ひっそりと、人気のない夕暮れの駅頭に立ちたいと思った。それを、映像にするなら、どういうコンテになるかな。
今の私だったら、私が住む大磯のツヴァイクの道を撮ってもみたいが。
*この記事に間違いがあった。備後落合は広島県だそうだ。備後というのは広島岡山にまたがっていたのだ。思い出した。昔、のど自慢の中継に行くときに、この駅を通過し、そのたたずまいに深く心を奪われた。あれから15年、風景は今も同じだろうか。
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