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定年再出発  

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特別祈祷会

特別祈祷会
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田舎へ帰って、母の短歌の話を聞く。「NHK短歌」2月号の辺見じゅんの文章に惹かれたという。「あんたは俳句に関心もっているけど、悪いけど、俳句では表せない感情を短歌は出来る」といつもと違ってえらい力が入っている。どんな文章かと思って辺見のそれを読んだ。「昭和の恋歌―海に折鶴を」。

昭和18年の学徒出陣で戦場へと狩られた若者や、その恋人たちの短歌であった。
夢に見る君の姿はりりしくて 年ふることのなきぞかなしき 池淵ユキ子

母も大津にあって、今思えば学徒出陣の余波を受けたような体験をしたと、話す。最近私が帰省すると、昔話をよくする。どうやら、個人の体験を語っておきたい気分らしい。

17歳だった母は京都へ遊びに行くと、賢げに闊歩する学生の姿に目を奪われることが多かった。京大や三高生や同志社生に憧れていた。
大津の実家には大学浪人の2つ年長の従兄弟が下宿していた。ノボルといった。彼は軟派の学生で、医学部を目指すといいながら、けっこう映画や喫茶店に出入りしていたようだ。だが、年も近かったので母とは気があった。

18年7月、ノボルから母は今夜キリスト教の学生の集会が開かれるから行ってみないかと声をかけられた。場所は坂本だから遠くはない。戦争も2年続いて庶民のなかでも少しずつ厭戦の気分が漂っていたのか、それまで外出や門限にうるさかった祖父もいささかゆるくなっていて、他に女友達もいっしょならいいと夜間外出の許可を与えた。

前から、賛美歌の流れる光景には好感をもっていた母は、絽の上等な夏物で着飾って参加する。若い男たちが集まると聞いて、乙女心が高鳴ったのだろう。

坂本の修練場のような広大な座敷に100人ほどの大学生が参集した。一人一人立ち上がって「○×大学の△×です」と名乗ってから、1分ずつ代わる代わる語った。それはスピーチだと思っていたが、後で振り返ると祈祷だったのだと母は回想する。学生の表情は緊張し声は高ぶっていた。何か大きなものに会場全体が包まれていた。夏とはいえ、冷え冷えとした悲しみのようなものがあった。

このときの感動を忘れることができず、母は信仰の道に入ってゆく。
それから3ヶ月ほどした頃、新聞の紙面に「出陣学徒壮行会」の大きな文字が躍り、母は7月の集会はクリスチャン大学生の最後の集会「特別祈祷会」だったことを知るのだ。

そんな話を聞いた後、私は散歩に出かけた。
金山の練兵場あとの団地に足を向けた。ここに、かつて歩兵119連隊があった。入り口には衛兵の建物がある。この連隊で練兵された兵隊はインパールに送り出されて、非業の死を強いらていく。
団地中央に連隊の記念碑が立っていた。碑文の文字は岡村寧次とある。たしか、終戦に際して、中国にあって徹底抗戦を唱えた人物だ。その後、転じて国民党政府に対して協力的になったとはいえ、軍の中枢にあって責任ある人物。戦後も長く生き延びて畳の上で死んだ人だ。

周りの団地は静まりかえって、緑風がそうそうと吹いていた。



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特別祈祷会_c0048132_1944141.jpg
特別祈祷会_c0048132_19442316.jpg

by yamato-y | 2008-06-01 19:43 | ふるさとへ | Comments(0)
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