メロドラマ論のつづき
1943年頃公開されたアメリカ映画「深夜の告白」は殺人メラーと呼ばれた。メラーとはメロドラマのスラングだ。当時、アメリカ映画におけるメロドラマとは「アクション、冒険、スリル」を中心とする男性的な映画を意味したそうだ。(『映画/言説の文化社会学』岩波書店)
その後、70年代に入って映画研究家の中でメロドラマはロマンスや家庭生活を中心とする女性的なジャンルと見られるようになった。
メロドラマ「冬のソナタ」にもメラーの名残りがあることを知っているだろうか。崖にぶら下がるという意味の「クリフハンガー」のことだ。これは連続活劇をさす業界語だ。主人公が危機一髪というところで終わって、続きは次回作でということになる。そういう手口をハリウッドではクリフハンガーと呼んだそうだ。
冬ソナは連続活劇ではないが、連続ドラマとしてその精神を受け継いでいる。心理的に「崖にぶら下がる」というシーンは必ず最後に出てくる。続きが気になってならないという思いにユン監督は引っ張っていくのだ。
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