雪はげし
今年は東京も雪が多い。昨夜も遅く降った。今朝起きてみると目黒台地が白くなっていた。
雪は「冬のソナタ」の重要なシンボル。ソナチアンが選んだベストシーンの第1位が、「初雪の日のファーストキス」だったぐらい、このドラマにおける雪の印象は深い。最初、ユン監督はこのキスシーンを夜の湖で撮影する予定だった。というのは夜のほうが雰囲気が出るから。ところが、初恋の純粋さを示すなら白い世界のほうがふさわしいのではないかと思い直した。それで、午前の光がよく反射する時間をえらんで、雪の中のキスとなったのである。小鳥たちのついばむようなピュアで可愛いシーンが生まれた。このエピソードをグランドフィナーレの中でユン監督は明かしてくれた。
この物語のシンボルが雪ということを、もっとも表しているのがタイトルバックだ。ナミソムの林に霏々として降る雪、このモノトーンの雪の風景を表紙にして、物語「冬のソナタ」が紐解かれていく。
このタイトルを見ていて思い出した俳句がある。美人の誉れ高かった橋本多佳子の詠んだ句。
雪はげし 抱かれて息の つまりしこと
そうだ。日本でも同じ感性を持った人が今から30年以上前にいたのだから、私たちが今「冬のソナタ」を見て感動するのは当然といえば当然なのかもしれない。
今朝の残雪を見てそう思った。
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