春の日の花と輝く

昼過ぎ、大磯駅からもみじ山をめざす。山の入り口から少し入ると小高い空き地がある。
そこから江ノ島、三浦半島を望むと青く霞んでいた。
ツヴァイクの道は穏やかな春の日差しを受けていた。ゆらゆらと坂道を登る。途中でムラサキハナナの群棲を見つける。まさに生草を敷くという光景なり。傍らに寝転べば、目の先に蒲公英の黄色い花が現れる。
さらに九十九折を上れば木々の枝には花の芽がびっしりとついている。春の日の花と輝くである。
アイルランド民謡のあの歌を思い出した。
♪春の日の花と輝く うるわしき姿の
いつしかにあせてうつろう 世の冬は来るとも
わが心は変わる日なく おん身をば慕いて
愛はなお緑いろ濃く わが胸に生くべし
この歌を私の「教え子」二人に贈りたい。先日、京都からわざわざ私に卒業していくことを告げに来てくれた二人だ。一人は大阪でテレビ局に就職が決まり、一人は故郷鹿児島で教師となってゆく。その二人が先日夜行バスに乗ってわざわざ会いに来てくれた。「なんで、こんな忙しいときに来るんだよ」と邪険に言ったものの、内心嬉しかった。
しばらくして別れたが、彼ら二人が帰ってゆく後姿に幸せを祈らずにいられなかった。しかし、大学4年生だというのにその後ろ姿の頑是無いことか。まるで小学生のように屈託なく六本木の町を去って行った。
元来、教師になりたかった私が図らずも50を過ぎて、真似事のようなことが出来、かつこういう関係が築けたことに感謝したい。
大磯のわが庭。去年の暮れにすべていちど整理したものの、春になって水仙やこでまりが花をつけて楽しくなった。
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