17年蝉
今年はアメリカで17年蝉が大発生するという。
これが不思議だ。17年に一度蝉がいっせいに地中から出てくる。その数は時に一兆にまで達するという。
数年前に、13年蝉の大発生という企画を審議したことがある。ある年になると、蝉がいっせいに発生して町中蝉の鳴き声で耳が聾するばかりとなるという企画だった。
その蝉の大発生でアメリカ南部の町は大混乱に陥ると、企画には記されてあって、私自身興味が引かれた。こういう番組を見たいと思ってその審議では私は企画にゴーサインを出した。
ところが、実際に撮影してきた映像のラッシュを見て落胆した。一兆にの大量の蝉が大発生している映像に見えなかったのだ。
その羽化の映像を見せられたとき、これがいったい何なのだ、それほど凄いということが映像として表現できていないのではないあなかと不満をもった。
モニターの画面に現れたとのは、普通の何の変わりもないアメリカ南部の町が映っているだけだった。
単なる町の住宅地の風景の映像が広がっていただけなのだ。おびただしい蝉がその町を席巻しているようにはとても見えない。
普通の住宅街がそこにあるだけだった。
蝉が鳴いているというのは音声の問題だ。映像には蝉はロングショットでは写らない。その画像に喧しい蝉の鳴き声がかぶさっているだけだ。時には、その音は実音でなく後からかぶせたと思われても仕方が亡い。
このとき、映像表現の難しさを感じた。すさまじい音量の存在というのは、それだけでは絵にならないのだ。
そこでスタッフはどうしたか。
大発生の翌朝のシーンが圧巻だった。町の測道にはおびただしい蝉の死骸で埋め尽くされた。町はその処理にショベルカーを動員して、清掃処理を行う。ショベルが蝉の固まりをがさっと捉えて積み上げるのを見て、初めて大発生の実態を実感したのだった。
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