上野の駅から
春先のどんよりとした天気。水戸まで行くために上野に出た。
今日は休暇をとった。水戸に勤務する昔の仕事仲間が、若いディレクターやカメラマンに話しでもしてくれないかと頼まれて、喜んでいくことにした。
水戸まで鈍行で行こうと思う。その前に腹ごしらえでもするか。
上野駅の構内をぶらぶら歩く。懐かしいなあ。昭和45年、仕事についた頃、この駅から夜行列車に乗って金沢へ帰る人を送りに来たものだ。あの頃の薄汚い風景はなくなったものの、どことなく田舎くさい駅だ。やはり、ここは東北への玄関口といいたい。
駅前のアメ横あたりを歩いた。立ち飲み屋が増えている。その一軒、キタオカに入って、昼からコップ酒を頼む。煮込みとフキを肴にする。しめて610円。熱燗がうまい。どうして昼間の酒は回るのだろう、コップ一杯で十分出来上がった。
キタオカを出て、アメ横を流す。昼間だというのにおおぜいの人がいる。昨日の浅草より賑わいがある。カレー屋があった。チキンカレー380円だと、安い。まぐろ屋ではぶつ切りが280円で出ていた。
2時の電車の時刻が迫ったので、慌てて駅舎に向かう。横断歩道で上野駅を見ると、映画「3丁目の夕日」で見た、あの上野駅の”原型”があった。
10番ホーム、常磐線に滑り込む。電車に乗るとすぐ発車した。
牛久を越えて、高浜というところまで来たら雨が降り出した。天気雨だ。高浜駅で特急待ち合わせで7分間停車している。周りはぐるっと田んぼだ。貫通する道路のアスファルトが雨に光って美しい。駅の土手には笹薮になっていて、濡れた竹の葉に光があたりキラキラ光っている。車内は携帯電話をかける若い女の声しかしない。
物憂い、冬の終わりの昼下がり。
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