浅草木馬亭
昨日、浅草へ行った。10日、月曜日に撮影される「昭和を笑わせた男たち」の現地下見だ。現地は浅草木馬亭。
3時に劇場(こや)の前で待ち合わせた。ちょうど、小春びよりで穏やかな日差しの中、地下鉄を下りて、観音さまを目指してぷらぷら歩いた。外人観光客と修学旅行生が目についた。仲見世は相変わらずのにぎわいである。
奥山あたりではさすがに人影も少なかった。
木馬亭は五重塔の裏あたりにある。入り口には根岸のおばあちゃんが座ってチケットの取り扱いをしている。あの根岸吉太郎監督のご母堂だ。
昨日は浪曲大会だった。中へ入ってみると、昭和の匂いを残した懐かしい舞台と客席がある。150ほどの客席には20人ほどの年配の客が、女浪曲師の名調子に熱心に耳を傾けていた。番組のディレクター、カメラマンといっしょに、照明の具合、会場の設備などを確認する。下見は20分ほどで終わった。予想した以上にいい雰囲気の会場なので、私はすっかり満足。
劇場を出てから、ちょっと打ち合わせでもしようと、昼間からやっている居酒屋に入る。なじみの「大勝」に入ってスジを頼む。昼食がまだだったのでよかった。
10日の本番は午後5時からだ。その前に、司会のグッチ裕三さんと松尾貴史さんの二人にこの浅草界隈を歩いてもらおうと言うことで、打ち合わせも順調に終わった。
「昭和を笑わせた男たち」は150分の長い番組だ。昭和のある時期を風靡した喜劇役者、漫才師、落語家の古い映像を、今の目でもういちど味わってみようという趣旨。
登場するのは、エンタツ・アチャコ、川田晴久、トニー谷、藤山寛美、人生幸朗、由利徹、林家三平、桂枝雀。彼らが活躍していた頃の映画の映像を中心に見せようということで、ディレクターはこのところ毎夜映画の編集に追われて、徹夜が続いているとぼやいていた。
その映像を昨夜遅く見た。めっぽう面白い。エンタツの新しいこと。トニーのニヒルな嫌み。川田の哀愁。それぞれ素晴らしいのだが、驚いたのは由利徹の”凄み”だ。
終生、下品な笑いに徹した由利が見せる身体表現の美しさにはまいった。こんな逸材だったのかと見直す。
ちょっと心配なのは、古い映像の借用料だ。近年は映像の価値が上がっていて、目の飛び出るような値段がつくこともしばしばある。出来るだけ長く使用したいが、台所との関係でどう折り合えるかが、これからの大事な検討項目になる。
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