スフィンクスの謎々
「最初は4本足で、次に2本足になって、最後は3本足になるものは何?」
怪獣スフィンクスが旅行く人を呼び止めて試した謎々だ。
答えは人間。赤ん坊の頃は這い這いして4つの手足、長じて2足歩行、年をとると杖をつくようになって3本の足、というわけだ。
ツヴァイク道往来に私は杖をつくようになっている。半月ほど前、山道でこの冬に朽ちた小ぶりの枝を見つけた。杖代わりにちょうどいい大きさ目方だったので、これ幸いと使いはじめた。ちょうど坂道であえいでいた時だったので重宝した。
使ってみると具合がいい。ツヴァイク道は、距離は短いが勾配がきつい箇所が1つある。葛折りの最後の折れ曲がりだ。杖を前に出して、わが身を引き上げる。心臓への負担が軽減されて、体が楽だ。あえぐことが減った。
杖の効用は坂を下るときのほうが大きい。急坂を足で踏ん張りながら下りるのは意外に疲れるものだ。無意識に体がこわばっている。それを、杖を使うと緊張が薄れるのだ。
かくして、私は杖をつくようになり、老年を生きる身の上となる。むろん、この杖はツヴァイク道専用であって他では使わない。だから、杖はツヴァイク道の上と下の2つのポイントに転がすことにした。坂下は大杉の裏側に立てかけておき、坂上では石垣水路の蓋の上に載せてある。この道の往復だけは水戸黄門スタイルを私はとることになった。
「転ばぬ先の杖」とは古人もうまいことを言ったものだ。
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