風の行人坂
高輪から来ると、白金あたりで丘になる。白金台だ。そこから目黒駅に向かい目黒川のほとりへ降りていく。
この坂はメインが権之助坂だ。そのそばにやや細い行人坂がある。急坂だ。昔、山形から来た行人たちがこのあたりで修行したところからこの名前がついている。
今日は風がひどかった。テレビは春一番が吹いたと伝えている。坂の下から強い風が吹き上げてくる。
此の坂を下って目黒不動まで散歩した。境内は風のせいか人影がない。夕暮れの社務所は窓口を閉めていた。
大風がけやきやくぬぎを揺らしている。ざわざわと葉鳴りがする。
病床にある友を思った。60歳で脳出血を患うのは辛いだろう。12年前の我が身を思い出す。
春になる頃には恢復してくれることを祈る。
帰途は権之助坂を選んだ。坂の途中にある古書店に立ち寄る。安藤鶴夫の「本牧亭」があった。文庫本なのに古書で800円の値段がついている。
まあ図書館で借りればいいか。帰って読む本があるので、さっさともどる。
この3日ほどはまっている『誰がアレクサンドロスを殺したのか』。めっぽう面白い。「歴史ノンフィクション・ミステリー」と帯に書かれてあるが額面通りだ。
プラトン、アリストテレスという人たちが生き生きと描かれているのだ。
此の本と平行して木田元の『反哲学入門』も読む。プラトンとアリストテレスの関係がやっと分かった。プラトンのイデアという考え方が初期のキリスト教に大きな影響を与えていることも納得。
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