こんな寒い日は「冬のソナタ」
よく晴れてはいるが寒い。
こんな日は4年前の韓国の冬を思い出す。ちょうど今頃に、「冬のソナタ」の最初の特番を作るため、田中美里さんとともに韓国へ出かけた。
あれから4年経ったのか。早いなあ。
ソウルからワゴンで私は単独で春川をめざした。寒さのきつい朝で、吐く息が真っ白だった。途中、トイレタイムで降りた田舎のバスセンターは、いかにもアジヤの町といった趣で、私の心を蕩けさせた。谷川雁のあの詩「雲」のような光景だった。
雲がゆく
おれもゆく
アジヤのうちにどこか
さびしくてにぎやかで
馬車も食堂も
景色も泥くさいが
ゆったりとしたところはないか
どっしりとした男が
五六人
おおきな手をひろげて
話をする
そんなところはないか
雲よ
むろんおれは貧乏だが
いいじゃないか つれてゆけよ
そこを越えて春川へ出る。大きな川が流れていて古い町並みに入った。
そこに、ユジンが駆け下りて来る、あの風景があった。日向は暖かいが、影に入ると冷たい風が吹いていた。

そして、ナミソムのあの並木路に立った。日の出前の寒気のなかで撮影した。田中美里さんは一度も泣き言を言わなかった。あの朝の寒さは半端でなかった。
そして、ユンピョンのスキー場まで足を伸ばした。諸般の事情で、この場面は番組では取り扱わなかったが、美しい風景があった。ゲレンデに立っていると、足から痺れてくるようだった。
遠い日になった冬のソナタだが、時折、思い出すことがある。それは駅の自動改札を通過するときだ。
「キンコーン」というあの音程が、冬のソナタのテーマソングの冒頭の音とそっくりなのだ。瞬間、あのドラマがよみがえる。
今夜あたり、久しぶりにDVDを見ようかな。見始めると、最後までいかないと気がすまないだろうなあ。ちょっとまずいか。うーん、悩む。

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