こんな日が来るなんて
受験シーズンの真っ盛りだ。我が家にも大学受験をするような子供はいなくなった。むろん、私などはあれを経験してから42年も経っている。
今で云う共通一次試験のようなものだが、かつては、国立一期校の受験日は3月3日から5日まであって、金沢は雪が降るというジンクスがあったものだ。
おそらく、今のこの時期は私立の試験が相次いでいるはずだ。
受験なんて早く終わってほしいと心底願ったものだ。特に数学と生物が苦手で、いつも参考書を手元から離さなかった。
なんでこんな苦労をしなくてはならないのか恨んだものだ。
これが終われば、楽しい学生生活が待っている、親の束縛から逃れられると期待だけが、支えであった。大学に入ったらギターを買いたいと願っていた。加山雄三の「若大将シリーズ」が人気を集めていて、「君といつまでも」が流行っていた。ヤマハのフォークギター1万6千円が高嶺の花だった。
受験会場へ行くと、ライバルがおおぜいいた。なにせ、私たち団塊の世代は半端じゃないほどの人数だったから。
外は雪だったが、会場は熱気でむんむんしていた。テスト用紙が配られるのを見ながらいつか受験と関係なく人生が送ることができたらいいなと、ぼんやり考えたことを思い出す。
今夢見たその日のなかにいる。
今となっては、その頃に帰りたい。あんなに懸命に勉強をして未来に向かって這い上がっていこうとする意志だけでがむしゃらに走っていた時代に帰りたいと願っているのだ。
あのとき、私の前にはなんと大きな可能性が広がっていたことか。
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