
東海道鈍行の旅
昨日から今日にかけて、私は豊橋から大磯まで鈍行で移動した。
まず、午後9時過ぎに豊橋から浜松まで動いた。車内にはフィリピン系と思われる男性を何人も見た。話している言葉がタガログのようだ。トヨタやスズキといった自動車メーカーがこのあたりに多いから、そこで働く人たちだろうか。車内で冷酒を飲む。途中転寝。
浜松で降りて、駅前の賑わいとかを見たがぞっとしないので、また移動。掛川に着いた。ここでもタクシー乗り場まで出向いて町の様子を見たが、まっくら。面白そうな居酒屋もありそうに思えず、また電車に乗って焼津へ。ここなら美味しいすし屋があるかもしれないと思って市内観光センターに行くとクローズ。市内地図だけざっと見たが、魚市場付近の店は早朝でないと開かないと知ってまた電車に乗る。そして、静岡に到着。北口の繁華街をぶらぶらして、仮宿をとって寝た。宿でカンチューハイ。
そして、今朝6時半。再び鈍行で沼津まで。朝の光の中、この沿線が美しかった。富士と駿河湾を一望できるのだ。幼い頃、父に連れられて夜行で東海道線に乗ったことを思い出した。弁天島、由比、興津、藤枝、吉原などという駅名が懐かしく感じられる。
沼津では御殿場線に乗り換えようと思ったが、国府津行きの接続が悪く断念。東京行きに乗る。伊豆を横切る汽車の旅というものはいい。函南でトンネルとトンネルの間で見た景色が心に残る。筒井康隆のあの文章を思い出す。
《トンネルを抜け出て、トンネルに入る僅かの間に見える村。
列車の乗客にとっては五秒の村。村の歴史は千五百年。》(『天狗の落とし文』)
こうして延べ6時間ほどかけて、私は東海道鈍行の旅を楽しんだ。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング