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鷹ひとつ

鷹ひとつ_c0048132_1225116.jpg
鷹ひとつ

土曜日、伊良湖岬に出かけた。
夜7時から、名古屋大須劇場の元関係者に取材することになり、昼間の予定が空いたので芭蕉の故事が残る伊良湖へ行ってみようと思い立った。大阪から豊橋まで新幹線で行き、11時32分発の豊橋鉄道に乗った。終点は三河田原だ。単線ののんびりした電車だが乗客は多い。沿線は意外に都会化されている。

田原に着いて、駅に「歴史の街」と書かれてあるのを見て、ここは渡辺崋山の出身地であることを思い出した。小藩ながら古い文化を持った町らしい。市内見物している時間はないのですぐにバスに乗り継いだ。ここから伊良湖岬までおよそ40分のバスの旅だ。駅を出発したときは30人ほど客が乗っていたが、福江、保美(ほび)を過ぎると私一人となる。バス進行右に青い三河湾が広がってきた。ほとんど、「岬めぐり」の世界だ。

♪あなたがいつか 教えてくれた 岬をぼくは一人で訪ねて来た
二人で行くと 約束したが 今ではそれも叶わないこと
岬めぐりのバスは走る 窓に広がる青い海よ
悲しみ深く 胸に沈めたら この旅を終えて 町に帰ろう

伊良湖岬の手前に保美がある。ここへ芭蕉の愛弟子杜国が流されていた。
名古屋で米穀商を営む富裕な商人だった杜国は蕉門の有力なメンバーで、芭蕉はその才能を愛した。ところが空米を売った咎で名古屋を追放されこの保美に配流されたのだ。なかなかの美貌で商才もあった杜国は名古屋の米商人仲間の嫉妬をかって陥れられたらしい。ええしのボンボンが片田舎へ流された。豊橋からだけでもかなり離れていて僻地と言わざるをえない。それを芭蕉がわざわざ遠回りして訪ねてきたのだ。1687年(貞亨四年)11月のことだ。その経緯が紀行文「笈の小文」に記されている。

芭蕉は故郷伊賀上野に帰る途中、その杜国を保美に訪ねたのだ。今回、現地を歩いて分かったが、幹道からそれてかなりの距離を芭蕉は歩いたことになる。それほどまでに会いたい人物であったのだと推察せざるをえない。たしか、翌年、今度は杜国が伊勢に帰っていた芭蕉を追いかけて行って、そのとき二人は一緒に紀州、大和まで旅をして「笈の小文」を書き上げているはずだ。謹慎の身でありながら脱け出して旅をする。それだけでも重罪を犯すことになるのに、そういう境遇を面白がって芭蕉は杜国を万菊丸と童名で呼んで道連れにしているのだから、愛情は相当深い。

このエピソードや伊賀上野の主君との関係を含めて、芭蕉ゲイ説が浮上する所以だ。だが、これはホモエロスであってホモセクシャルではないのではないか。友情以上、愛情未満といった具合だ。いずれにしろ、可愛い弟子のために芭蕉は配流先まで出向いたのだ。そこでの再会がどれほど互いに感動したことか。そのときのことを芭蕉は句にしている。
鷹ひとつ見つけてうれし伊良湖崎

この伊良湖では鷹が海を隔てた渥美半島へ渡ってゆくということは知られていた。その鷹がいたという喜び。むろん、これは真正の鷹ではなく、貴重な鷹としての杜国。この二人が楽しんだ旅から2年後、杜国は30歳の若さで死んだ。

実際に、伊良湖の岬に立ってみると、あまりに味気ない風景なので落胆した。ドライブインの「道の駅」がでんと建っていて、その前の港には伊勢志摩行きの大きなフェリーが停泊していた。銀色の無粋な風車がガラガラ回っている。対岸には火力発電所の煙突がもくもく煙を上げている。観光客はメロンや海老ソースせんべいを買いあさっている。誰もこの海が美しい句で詠まれていることなど気にかけていない。伊良湖岬灯台まで行く気を失い、近くの砂浜に行って寝転んだ。風が強く波が荒い。島崎藤村の「椰子の実」はこの海から生まれた。

晴れてはいたが風が強く芯から冷えてくる。荒波を見ているうちに、来てよかったと思う。
頭上でピーヒョロと鳶が鳴く。振り仰ぐと、まるで芭蕉の「鷹」のように悠然と空を舞っていた。三島由紀夫の『潮騒』の舞台、神島が霞んでいた。
鷹ひとつ_c0048132_12252959.jpg
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by yamato-y | 2007-12-09 12:26 | ブロギニストのDJ | Comments(1)
Commented by かわうそ亭 at 2009-05-05 22:08 x
伊良湖崎の写真、とても興味深く拝見しました。
三河田原は華山の出身地との記事を読んで、おや、そうだったかと、石川淳撰集の「渡邊華山」を取り出して読みました。なるほど、渡邊華山は江戸半蔵門外田原藩邸に生まれ、江戸育ちですが、たしかに渡邊家は三河田原藩の世臣でありますね。鳥居耀蔵によって罪におとされて田原藩に蟄居させれ、最期はそこで自害していた。
石川淳のこの書によれば華山は俳諧もたしなんだようですが、芭蕉、杜国ともいささかの縁があったわけですね。
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