大衆のエネルギー
次の企画の資料調べを始めた。大衆芸能という主題だ。演劇、演芸、歌、バラエティなどを網羅することになるが、どこから始めるか見当をつけるための参考書として、花田清輝の「大衆のエネルギー」を読んでみた。戦後民主主義の革命イデオロギーの時代に活躍した評論家の弁が今の時代とはずれていることは知ったうえで、それでも読んでおきたかった。
案の定、花田の「前近代を否定的媒介にして近代を超える」という理論はポストモダンもかなり進んだ現代では相当陳腐化しているといえないこともないが、切れ味鋭い片言はなんとなくポイントをついているような気もする一節を見つけた。
花田はなぜかミュージカルの可能性を高く評価している。
さて、大衆芸能ということであれこれ手を出すのでなく絞り込んだほうがいいと思い始めている。とくに「お笑い」ということで、浅草系の大衆演劇、演芸に注目してみようかな。
榎本健一、古川ロッパ、アキレタボーイズ、森川信、南利明、岸井明といったところは以前から気になっていたから、この機会に勉強してみようかなと思っている。この人たちは浅草ミュージカルの系譜にあたる人たちだ。明日が第1回のミーティングだから今晩中に滝大作さんの著書を読んでおこう。
衛星第2放送で、韓国映画史とチャン・イーモーが語る中国映画史を見た。双方とも苦難の近過去(韓国は軍政、中国は文化革命)を克服しながら現代の隆盛を得ていると、二つのドキュメンタリーは語っている。では、日本映画はそういう物語がこの20年、30年にあるだろうか。大衆のエネルギーといえば、アニメ、漫画、ゲームに象徴されるオタク系の文化に込められたのだろうか。
半日かけて草むしり。冷たい秋風も忘れて夢中で草をはらった。赤ままの花が咲いていた。カラス瓜も赤くなり始めている。
子供とも遊ばずなりぬカラス瓜 相生垣瓜人
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