ミミズなく
これから、月が美しくなる。昔の人は月の出を待ち焦がれて素敵な言葉を残した。十三夜、十五夜、十六夜(いざよい)、立待月、居待月、臥待月、更待月など。大峯あきらという見知らぬ俳人だが、その人の佳句を見つけた。
星ひとつ連れて上りぬ寝待月
我がもみじ山でも、山の端に月がかかるとうきうきしてくる。
夜の山道を歩いて帰ると、低く鈍いじーっと言う「音」が地面の下から聞こえてくる。昔の人はこれは地虫が鳴くとかミミズが鳴くとか言ってきた。実際にはオケラの鳴き声だそうだ。ミミズには発声機関がないから鳴くわけがないというのだが、地面の下からうなるような声を聞いていると、まるでミミズが大合唱しているように思えてくるものだ。だから蚯蚓(みみず)鳴くというのは秋の季語になっている。歳時記というのはフシギな表現もけっこうある。
足音や蚯蚓(みみず)鳴きやみて夜半の月
ところで、ウィキペディアというフリー百科事典は先日役人が勝手な書き換えをやっていると、悪い評判が立ったが、実際には役に立つことが詳細にかかれてあって便利だ。このミミズの項もそうだった。そこで初めて知ったのだが、~という波ダッシュの記号は略称ミミズ。そう呼ばれると知って、絶妙な表現にはたと膝をうった。
ミミズにまつわる都市伝説もあった。ミミズで作られたハンバーガーだ。最近聞かなくなったがこれはけっこう流布した噂だった。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング