うまく捕まえられないのだけど
うまく捕まえられないのだけど、何か今SFということを通して感じるものがある。
眉村さんが言っていたのだが、団塊の世代はあまりSFが好きでないらしい。実際、私自身もそれほど関心がなかった。私の中で関わりが出来たのは、たまたま大伴昌司の番組を25年前に制作したことからである。それがなければ今でも無縁だったろう。
団塊世代はアメリカ帝国主義という刷り込みがあるから、その副産物であるSFは好きではないと眉村さんは見ている。同じようなことを森優さんからも聞いた。
森さんは「SFマガジン」の2代目編集長だ。1961年、彼が大学4年のとき学生運動に足をつっこんでいた頃、学生寮の部屋にアメリカのSFのパルプマガジンを積んで置いたら、先輩から「こんなアメ帝(アメリカ帝国主義)の雑誌なんか読みやがって」と罵倒されたことがある。それから運動に幻滅し、趣味のSFを生かす道を選んだというのだ。
たしかに、団塊世代は「少年マガジン」や「サンデー」を大学生になっても読むということでいち早くサブカルチャーに関心を示したが、現在のような文化状況にはうまくフィットできていない。オタク文化とくくられるアニメ、ゲームなどSFをルーツにもつ文化系とは長く無縁できた。
オタクというのはウィキペディアによれば今世代が3つ重ねているとか。第一世代というのは1960年代に怪獣ブームを体験し1970年代頃に「ヤマト」の洗礼を受けた、現在40代半ばを指す。次にバブル時代を体験した世代で、第3世代というのは第一世代の子どもにあたる人たちだ。
昨日、「エヴァンゲリヲン」が10年ぶりに映画になって封切られた。わがチームもSF最新事情として取材した。その者からの報告によれば、新宿の映画館で8時半開演に合わせて朝5時から列が出来、およそ1500人が並んだという。大半が10年前に熱狂した世代かと思ったら、意外に高校生たちの姿が目についたという。
社会システムの変化はそのメンバーの意識を変えてゆくのだなということを、最近つくづく思う。今、「SF」という問題を立てながら、私はそのことを考え続けている。
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