
日盛りの森をぬけて


あしたのロケの準備のため、午後1時、いちばん暑いさかりに家を出た。
ツヴァイクの道を下る。森は恐るべき暗闇である。日がつよければつよいほど森は暗い。
光の草わらは風もなく、夏の日を浴びてしんとしていた。森に入ると視覚がゆがむ。一瞬見えなくなる。
目がなれると、森のおちこちに光の水溜りがあった。
周りは蝉の鳴き声ばかり。気温は37度を超えているかもしれないが、下りの坂なので汗はそれほどない。
日差しは強いが、遠く雲の峰を見ると、どこか秋の気配がある。
駅の線路伝いにだらだら坂を登ってゆく。
道に蛇の死骸があった。小さな美しい蛇がうねったまま死んでいた。伊東静雄の詩のようだと思った。
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