熱中症に注意
渋谷駅前のスクランブル交差点で、若い女がカードを胸の前に広げていた。その前方に数人のスタッフがいたから何かの番組の撮影らしい。カードには「熱中症に注意しましょう」とあった。
一瞬、今の私を注意しているのかと眩暈がした。このところ、休日出勤が続き毎夜遅くまで構成や資料映像のリサーチにかかっている。20数年ぶりのディレクターということで張り切るというより緊張しているのだ。ついつい無理をしている。それに対する警告に思えたのだ。「熱中症に注意しましょう」
よく考えれば学校は夏休みに入っているのだ。子供たちも野外で遊ぶ機会が増えている。ついつい夢中になって遊んでいるうちに夏の太陽に打ちのめされることになる。そうならないためのキャンペーンが「熱中症に注意しましょう」だった。
私の子供の頃は熱中症とは言わず日射病といった。夏の日に出かけるときは母が「帽子をかぶらないと日射病になるから」と注意したものだ。だが夏時間に襲ってくるのは太陽だけでなく外気の温度もだ。だから太陽熱だけじゃないという意味で熱中症という表現になったのだろう。
私には「熱中症に注意しましょう」という標語は耳が痛い。別に仕事が好きだというだけで熱中するのでなく、取材相手との関係、制作スケジュールの制限などがからまってつい業務に過剰にのめりこむのだ。友人からのアドバイス。「あんたが一生懸命仕事をして倒れたって、誰も褒めてくれない」
分かっている。分かっちゃいるけど辞められない。
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