ウチダ本
現在制作中の番組について、中間の総括を昨日行って少し安心した。むろん難所が減ったわけではないが克服すべき点が見えてきたということだ。
余裕が出来たこともあって久しぶりにブックファーストに行き本を四冊購入。うち3冊は内田樹さんの著書だった。
新潮選書『逆立ち日本論』養老孟司との対談本。6月10日に発行されたばかりの本だ。
『おじさん的思考』(晶文社)2002年に出された本だが今年の5月で13刷りとなっている。3つめが少し専門書っぽいが『レヴィナスと愛の現象学』(せりか書房)。2001年に書かれた本で2006年5月に3刷りとなっている。
今や内田さんの人気は凄い。毎月毎週のように活字になったものを目にする。週刊ウチダと異名をとるほどだ。だから、数年前の作品も新しく刷りなおしということも起きているのだろう。ウチダさんの専門はレヴィナスだからそのユダヤ論の根っこを知りたいと思ってせりか書房の本は買った。と思って最新の『逆立ち―』を読むと同じ動機を養老さんがもっていたので驚いた。
その養老さんによると、ウチダさんの魅力は合気道に精通する論客ということだ。身体を使っている人の思考に対して養老さんは好感をもっているのだ。しかもオウムのように身体に溺れることなく抽象思考もできることに信頼をおいている。
私にはウチダさんは構造論の師匠だ。フランス現代思想のややこしい議論もウチダさんの手にかかれば分かりやすい。というか腑に落ちるように語ってくれるのが魅力でつい本を手にする。
四冊目の本は6月20日に出版されたばかりの四方田犬彦『先生とわたし』(新潮社)。週刊読書人で書評を読み買う気になった。それによると、先生とは由良君美。東大で教えを受けた四方田が書いた伝記である。実はこの由良の交友で重要な人物として出てくる久保覚に関心をもって買ったのだ。久保はわたしの師匠である。
市隠ともいうべき久保の存在が、死後しかも2000年を越えてから次第に浮上している。彼の仕事をみれば当然のことだが、長くジャーナリズムからも不可視だったのが、ここに来て評価を受けるようになったのだ。その関心で手にした本だが、著者の四方田の韓国文化論と久保のそれは相容れないのではないかなと思ってもみたりした。
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