
草の雨
草の雨を布団の中で聞いている。朝から雨だ。草や花を慰撫する6月の雨が降っている。
体が重い。さすがに2日半京都で教えてくると体にこたえる。特に前期の映像メディア論Aは実際の番組制作なので体を動かすことが多い。二十歳前後の若者に混じってそのときは動いていても、後になってどすんと疲労がたまってくる。
昨夕ふるさとへ帰って来た。母の料理「にしんなすび」とさざえを食べて、CSスーパードラマチャンネルで「刑事コロンボ」を見る。このところ行動パターンが出来ている。
8時過ぎ、裏で母が呼ぶから何だと思ったら蛍だった。蛍が2匹小川の上をゆっくり飛んでいた。一昨日の雨で5匹いた蛍が減ったと母は言う。2匹でもいい。今年初めての蛍だ。かそかな光は見ていても飽きなかった。
三条の京阪書房で日野草城の著作を購入した。昭和15年、戦前の書で『展望車』と『新航路』という第一書房の美装本が2冊で1500円だ。得をした気がする。草城は京大出身の新興俳句の中心人物だ。ゆかりの地で入手できたことも嬉しい。その『展望車』を寝転がって読んでいるうちに眠ったらしい。
たしか、母も布団に入っていたと思ったが、11時20分過ぎになるとごそごそ起きだしてテレビの前に座った。何だと聞くと、「春のワルツ」が始まるからと答える。「もう少し早い時間に放送がならないかな」と独り言をつぶやく。
ドラマの音声だけを私もうつらうつらしながら聞く。私はこのドラマは一度全部見ているから音でどのあたりの話か見当がつくのだ。
そして今朝だ。町内会の草むしりということで9時前に母は出て行った。あまり無理をするなよと言っても、近所づきあいが大事だといそいそ出かける。私は『展望車』の続きを読む。雨で静かな日曜日、遠くでカラスが寝ぼけたようにガアガアと断続的に鳴いている。庭の紫陽花が雨に濡れて美しい。
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