カンヌ憮然
日本映画が勢いづいていることは嬉しいが、カンヌでの日本映画の話題を見ていると憮然とする。
未だに内容を明らかにしない松本人志監督「大日本人」。彼の弁によると、日本人向けに作ったので外国の人がどう見てくれるか分からないという。おそらく、例によってお笑いを金をかけて作ったものではないだろうか。若干の情報から勘案すると、松本本人が主役でネタやオチがあるギャグ映画。現地の女性プロデューサーは「とても独創的」と語っているが、外国人特有の深読みと思われる。
ちょうどレスラーカブキがアメリカンプロレスで「東洋の神秘」と異名をとったようなものだ。と同時にカンヌの商売上手が透けてみえる。日本の人気者を招待すれば、日本のメディアが動き話題となるだろうと計算したうえでの、カンヌ招待作品にエントリーしたのではないか。
メディアも当人も、同じお笑いの北野武を引き合いに出すが、この比較は見当外れではないか。松本はテレビでやっているお笑いを金をかけてやりたいだけであって、武のように映像という表現にこだわっているわけではない。武は新人時代から映像や作劇術についてマンザイのネタにするくらい映画に傾倒していた。「ソナチネ」のあの深い色彩を思い出してみよ。この映画で日本映画の隆盛を語ってほしくない。
さらにいただけないのがスマップの二人のスタアの参加だ。二人の映画が招待されたと、さも偶然のように装うが、どうみてもテレビ局の出来レースでしょう。2本の映画にはテレビ局の紐がちらちらする。
日本の報道だけ見ていると、いかにも日本映画に関心が高まっているようにみえるが、果たして実際はどうなのだろう。現地、特にパリの新聞雑誌の評判を精確に知りたい。
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