定年再出発 |
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フラココ屋
ジム・ジャームッシュの最新の映画「ブロークン・フラワーズ」を見た。この映画は純映画かなあ。純文学というような意味でつかう、「純」なんだけど。 冴えない中年のおっさんドン・ジョンストンが、そそのかされて昔付き合った女たちを訪ねてゆくという物語。 かつてのプレイボーイ(ビル・マーレイ)の元にピンクの手紙が届く。どうやら昔つきあった女性からの手紙のようだが差出人は不明だ。それによると、二人の間に19歳の息子があるというのだ。ドンは気乗りがしないのだが,その女性を探し当てるべきだと友人はジョンストンに向かって力説する。そして、その友人が旅の段取りをつけてくれたこともあってジョンストンは旅立つ。そして、四人のモトカノと一人の故人を訪ねることになるのだ。 元恋人役の顔ぶれがすごい。シャロン・ストーン、ジェシカ・ラングらがさりげなく出てくるのだ。この「舞踏会の手帳」式旅は女性たちのその後の歴史を浮かび上がらせそれなりに面白い。特に、無口な主人公を演じるビル・マーレイのそこはかとないユーモアがいいのだ。 なのに、旅が終わって帰って来てからが、ごちゃごちゃするというか、構成がすんなり流れない。自分の息子かもしれないと誤解する若者とのやりとりが中途半端なのだ。その中途半端なままで突然エンドマークが出る。これって脱物語か。エンターテイメント化させないという作家精神か。そういう思いでこの「ブロークン・フラワーズ」は純映画かとつぶやいたのだ。 でもなあ、吉田喜重のような独り善がりな作品じゃない。それなりに楽しめるのだ。だからカンヌ映画祭審査員特別大賞(グランプリ)を受賞したのだろう。 大江健三郎賞の第一回受賞作『夕子ちゃんの近道』(長島有)を読んだ。この賞の審査員は大江さん一人で、最初ということなので、どういう作品が選ばれたかという興味で読んだ。 分かりやすい小説で、芥川賞より直木賞に近い作品ではないかと思った。たしかに、さりげないしかし周到な表現は只者ではないという気にはさせるが、物語の風合いが実に穏やかでやさしいのだ。 大江さんが選ぶのだからきっと前衛的な表現をもつ作品だろうと思っていたので、肩透かしをくらった。 西洋アンティークの店・フラココ屋の二階に住み着いた“僕”。倉庫代わりの狭い空間で寝起きする。やがて常連の瑞江さんと仲良くなり、店長からもなんとなく信頼されるようになる。隣に大家さん一家が住んでいて、孫の朝子、夕子ちゃんとも友達になる。“僕”は身一つで転がり込んでいて、10日間風呂に入らなくても平気な人間だ。この僕がふらここ屋を中心に交友することを気負わずに描いた作品。別に大きな事件が起こるわけでなく、冬から春へと時間が流れてゆく。でもみなけっして変わらないわけではない。どこか同じではなくなっている“僕”やそのほかの人々――。 ネットの評価に一見癒し系の小説に見えるが、どこか奇妙だという意見があった。 《・・なのだが、なんというか、この作品、読めば読むほど、微妙な違和感を覚えるのだ。単なる「癒し系」の作品とするには、妙な座りごこちの悪さ、極端に言うと、薄気味の悪さが、ほんとうにかすかにかすかに、だけど、確実に、全編の根底に流れているのである。この違和感、居心地の悪さの正体は、いったい、何? 》 そうかなあ。そのまま居心地のいい作品にしか思えないのだが。大江さんが選ぶということはそういう表面的なこととは違う“深いもの”が内在しているのかしらむ。作者の長島氏より大江さんの意見が知りたいなあ。今夜6時から、講談社でこの二人の公開対談があるそうだ。行きたい。だが、「後藤新平」の最後の技術試写がちょうど重なっている。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
by yamato-y
| 2007-05-18 11:13
| 登羊亭日乗
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Comments(1)
大江さんの新しい小説「﨟たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」はお読みになられましたか?今、雑誌「新潮」に出ていますね。これから読んでみようと思っています。
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