うれしい便り
職場に千葉の見知らぬ名前の人から手紙が届いた。
なんと、一年前に出版した私の本『ドキュメンタリーを作る』の“ファンレター”だった。
千葉大学の大学院生が差し出し人で、その人は修士論文を書くため図書館で資料を探していたところ、偶然私の本を目にしいっきに読んだということが、手紙には書かれてあった。
その人は自分でも映像を制作する人で、2005年に京都で行われた全国大学放送コンテストに参加したことがある。そのとき審査員だった私から、足尾銅山をテーマにした「緑が還える日」を講評されたことがあったのだそうだ。それで、私の名前の本を見つけすぐに読みふけったそうだ。
思い出した。足尾鉱毒事件を起こした、あの山が現在では緑の海になっているという短い番組を。編集の技術はイマイチだったが、何か心に残る映像が魅力的だった。メッセージは素朴だが伝えたいという思いが溢れていると、私は感じた。そのことを話したと思う。
50ほどの番組群の一つに過ぎない講評だったが、そのことが彼女を励ますことになったようだ。手紙でこう書いている。
《この一言があったから、私は今回(制作会社名)にエントリーさせていただきました。幸運にも来週の筆記試験に進むことができました。(略)
私の夢を最後に書かせてください。「映像を学び、いつかもう一度「足尾」の物語をつくりたい」》
うれしいものだ。私のようなものが語ったことを、こうして真摯に受け止めてくれる後輩がいること。最近元気をなくしていた私を励ましてくれる手紙。あえて、福音と呼びたい。
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