
スーダラ賛歌
来週日曜日、ちょうど今頃植木等さんを偲ぶ115分の番組が放送される。
1年ちょっと前に作った「スーダラ伝説・植木等 夢を食べ続けた男」をベースにした追悼番組である。このスーダラ伝説を作ったという縁もあって、記念番組も私が担当することになった。先週この話が舞い込んできたとき、私は「ようこそ『春のワルツ』へ」の最終編集段階だったので、準備がなかなか進まなかったが、明日から本格的に「スーダラ」に向かってゆく。
思えば、あの「スーダラ伝説」を放送して1年余りでしかないのに、この番組に登場した人たちが次々に亡くなっていった。青島幸男、宮川泰、沢田駿吾、そして植木等である。
皆時代を作った人たちだ。沢田は植木のジャズマン時代の友人で、ジャズギターの名手といわれた。この番組でも往年のテクニックを披露してくれて、まだまだ元気だと思われたのに1年も経たないうちに逝った。

青島は辛そうな晩年だった。失意にあるようにみえた。それでも「スーダラ節」の頃を語るとき目を輝かせた。
宮川も何かにおびえていた。老いなのか死なのか、今となっては分からない。植木とともに過ごした時代を語るときだけ仕合せそうな表情になった。
そして植木だが、この番組のためかなり長い時間をかけてインタビューに応じた。一つ一つの話が面白かった。まるで古典落語を聞くようだった。スーダラ節の作曲家萩原哲晶にふれたときだ。遠くを見つめて懐かしそうな表情になった。
萩原は植木同様、大学生からジャズマンになった人でなかなかのインテリだった。スーダラの歌詞を見たときも大真面目にアチャラカをやってみようと構想したのだ。この才人は若くして死んだ。

来週の特番には、これらの人たちが登場する。植木等を悼む番組ではあるが、その仲間たちの人生をも讃えたいと考えている。
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