

早春散歩
朝一番に鶯の声を聞いた。それからずっと裏山で鳴いている。春告鳥が来たのだ。
古来、鶯は亡き人の魂と考えられてきたが、私には歓喜の声に聞こえた。今朝、母から昨夜の放送を見た感想があった。80歳の母が見てもソ・ドヨンとハン・ヒョジュの初々しさは心に残ったと嬉しそうに語っていた。なんとなくほっとした。
遅い朝食をとって裏山へ散歩に出た。我が家の雑木も芽を吹いていた。
大磯の桜はまだ4分か5分といったところか。ちらほら咲きだ。例のツヴァイク道の山桜を見に出かけたが、木そのものが分らなかった。藤蔓がぐるぐる巻きにしていたから枯死したのだろうか。それともまだ花がつかないので目立たないだけだろうか。少し心残りである。傍らの草原にムラサキハナナが咲いていた。
森のなかを美しい声で鳴く小鳥がいた。名前は知らない。
高田公園まで足を伸ばした。ここでも桜はちらほらだった。外国人がベンチに坐って弁当を食べていた。相模湾が一望できるが、今日の海はもやが掛かった状態でぼんやりしている。坂田山の中腹から大磯の町を見下ろすと、長閑な時間が流れていた。
この数週間のことを考えてみた。どうしたことか、一気に仕事が押し寄せてきた。定年以後、一番大きな波だ。最初から予定をしていた仕事は「あしたのジョーの、あの時代」と「ようこそ『春のワルツ』へ」だ。それ以外の「植木等特番」「ある放送コンクールの審査員」「大伴昌司のイベント」「後藤新平生誕150年」は最近になって突然決まったものばかりだ。しかも集中的に同時期に動きが起きたのだ。それにしても驚くのが、先週の土曜日に「あしたのジョーの、あの時代」、今週の土曜日に「ようこそ『春のワルツ』へ」、来週の日曜日に「スーダラ伝説・植木等夢を食べ続けた男」と3週にわたって私の番組が配置されたことだ。
散歩の最後に、尾根伝いに歩いてもみじ山に戻ってきた。途中、別荘が荒れているのを見た。この別荘は何年も人が来ていない。とうとう草が生い茂りはじめたのだ。

だが捨てる神あれば拾う神ありだ。その隣に最近越してきた若い家族の家。その垣根にすみれが咲いていた。
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