大磯へ帰りたい
桜がきれいだ。放送センター西口の前にある小公園の桜が八分咲きになっている。
今年はまだ冷たい雨もないので、花はしっかりついて咲き誇っている。都会のこの桜を見ていると、大磯の桜が気になってしかたがない。
本日で1週間ほど都心で過ごしている。「あしたのジョーの、あの時代」が先週末放送だったこと、今週末に「ようこそ『春のワルツ』へ」の放送が予定されていることが重なり、作業が深夜におよぶことがたびたびで、大磯へ帰る機会を失しているのだ。
さらに、来週の日曜日に植木等特番を急に作ることになって身動きがとれない。
おそらく来週の日曜日まで待てば、大磯の花は散るにちがいない。冗談じゃない。大磯の山桜を見逃しては春を一つ損した気になる。
今年は暖冬で花が早いと思われたが、三月はそれなりに寒さがあっていつもと同じ花の時期をむかえた。普通の開花だ。大磯は都心より2度ほど温かいから、もう満開ではないだろうか。高麗山の麓に点在する桜、高田公園の桜、なによりわがもみじ山の、ツヴァイク道の脇にある山桜、その桜たちが気になってしかたがないのだ。
病床にあった檀一雄が木枯らしを聞きながら、春になって「花に会う」まで生きていたいと願ったように、私も大磯の桜に会いたい。
「春にそむいて散る花びらを」と、題名は忘れたが西郷輝彦が歌った歌謡曲の一節が頭を過る。さらには浅野内匠頭の「風さそう、花よりもなほ・・・」の辞世も浮かぶ。井伏の「花に嵐のあるたとえ」も出てくる。ああ縁起でもない。なんとか時間を作って大磯へ帰らなくては。花の時間は気まぐれだ。昨日まで愛想よく咲いていても氷雨でも来ればイチコロ。林芙美子の「花の命は短くて」の言葉まで思い出してしまった。
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