国際化する大伴昌司
本日、品川でルクセンブルグ人と会食した。私と大伴の母上、ルクセンブルグ美術館学芸員ビョルン・ダヒストロム氏、通訳シマ・プズーさんの4人だ。
現在建設中のルクセンブルグ国立現代美術館が、5月にオープニング展覧をする。テーマは「ツモロー・ナウ」。現代美術のあれこれを陳列することになっていて、その中に大伴昌司の「怪獣解剖図」を陳列したいと申し入れてきたのだ。
詳しい話を聞くため、私と母上がダヒストロムさんとパシフィックホテルで会ったのだ。
私は大伴の原画数枚と怪獣図鑑を持っていった。彼が借りたいと言っている作品は、少し見当違いをしているように見受けられたので、その意識を訂正してもらうためだ。
彼はニューヨークで開かれた「リトルボーイ」展のカタログを見て、大伴の作品に関心をもっていた。だが、その作品は大伴ワールドの本質を示しているとは思えず、私はバルタン星人とカネゴンの大伴解剖図を用意した。
テーブルの上に図を広げると、氏の目つきが変わった。そして、「怪獣図鑑」を手にとると、次々にページを繰った。素晴らしいと、ため息をついた。大伴の作品にはユーモアがありヨーロッパ文化とも相通ずるものがあると、氏はいっきに語った。
それから2時間、昼食をとりながら日本の現代文化について意見を交換した。母上が97歳で元気に活動していることに敬意を表するとともに、戦前からの女性ジャーナリストと知って、さらに子息の大伴昌司への関心を深めたようだった。
ダヒストロムさんは明後日私のオフィスに来て、レンタルしたい作品を決めて保険金額を確定することとなった。
大伴はアメリカのみならず、ついにヨーロッパでもお目見えすることになる。今、パリのオペラ座で歌舞伎が上演されて評判をとっているが、大伴の怪獣がヨーロッパのルクセンブルグでも話題になるのは必至だろう。
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