立ち食いそば
休日の午後は図書館へ行く
帰りに駅前の立ち食いそばの暖簾をくぐる
ばあさんが一人でやっている
料金表を眺めて 私は、ちくわ天うどんを注文する
遊び人風の男が入って来た
「あじ天そば」と声をかける
やや間があって「玉子ものせて」
コートの襟を立てた男が入って来た
「天ぷらそば」
私のちくわ天うどんが出来た
350円払う
後から来たのに 遊び人もコートもさっさと食べて出ていった
食べるのが遅い私の器には まだうどんが残っている
背後に若い女が立った 思案している
暖簾をくぐって入ってきた
「うどん」と小さな声
麺を湯がきながら ばあさんは尋ねる
「何か のせる?」
女は黙っている
私はあわててスープを飲み干し 外へ出る
(分からないばあさんだなあ 金がないから、来たにきまってるだろう)
立ち食いそばの暖簾が風にひるがえる
うつむいている若い女の姿がちらっと見えた
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