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鯖街道

 鯖街道

去年亡くなった詩人の清岡卓行の「最後の小説」を読んでいて、三好達治の俳句を見つけ心に残った。清岡が一高生の頃、東大仏文の先輩であり盛名をうたわれるこの詩人を囲んでの懇談会があった。その会の終わりに色紙を求められて三好は自分の俳句を書いた、と清岡は記している。

鯖売りと赭土(あかつち)山を越えにけり

 いい句だ。木下夕爾もそうだが、詩人の句というのは独特の味がある。

私が鯖街道を車で走ったのは20年も前のことだ。新幹線で米原まで行きそこからタクシーで若狭小浜まで走った。その道は小浜で獲れた鯖を京の都に運ぶ道、鯖街道だった。車に同乗していたのは、小浜出身の料理人田村平治。

田村平治は、明治38年福井県小浜の魚屋「柴幸」の息子として生まれた。高等小学校を卒業した14歳のとき、京都に出て、「瓢樹」という懐石料理の店に修業に入る。その店の主人は、瓢亭で評判をとった料理人西村卯三郎。ここで田村は21歳まで料理をみっちり教えられる。
その後、関西のいろいろな店で修業して技を磨き、28歳の時、東京に出て、「藍亭」の料理長に迎えられる。このとき、田村平治という名前が食道楽の間で有名になる。
やがて彼は戦後、東京築地に自分の店「つきぢ田村」をもち、日本料理を代表する店に仕立て上げた。

鯖街道を田村と小浜に帰ったのは、「シリーズ授業」という番組を制作するためだ。現在放送されている「課外授業」の元になった教育テレビの番組だ。学者、芸術家、実業家が故郷の母校にもどり、後輩の小学生を相手に自分の「得意技」を通して授業するという趣向だ。田村の場合は、当然料理を教えてもらうことにした。
そのときの授業の副題は「どこもおいしい大根」。

田村は常々こんなことを言っていた。
  「私は物を粗末にするのが嫌いなんです。私は、物にはすべて生命があり、その生命は尊いもの、大切にしなければいけないと思うんです。だから、ムダなものなどない、捨てるものなどなにもないはずなんです。すべてを生かして使い切るのが料理人のの勤めです。」
料理の材料はすべて使える。それぞれの適材に応じて料理をすればいいと、田村は考えていた。
 「適材適所です。一枚の鯛があれば、真中、頭、骨の間の身、皮などいろんなところがある。それをそれぞれ一番いい方法で使う。平等に生かすべきなんだ。生きのよい、いいものなら残らず使える。」
「れんこんの皮、うどの皮、ふきのへた、大根の葉、人参やいものつぶれたの、くずれたの、形に切った残りなど、すべて使う。端だ、半端だというのは、そのままでは使えない、出せないというだけで、おいしさに変わりはない。使えるように、出せるように工夫すればよい」

この持論を授業で実践してもらったのだ。小浜の小学校の料理教室に大根だけがもちこまれた。この大根を使ってすべてを料理する。葉っぱからしっぽまで全て使える、無駄がない、工夫しだいで美味しく食べられるということを、田村は50人の子どもたちに教えたのだ。
授業の最後に、大根の葉っぱを油でいためて醤油で味をつけ、みんなでごはんのおかずにして食べたときの、嬉しそうだった田村平治。あのときの笑顔を私は忘れられない。

実は、このキャスティングは「シリーズ授業」が誕生したときから私は狙っていた。料理という具体的な動作を、こどもらに伝えたいと思っていたのだ。それをパフォーマンスできる実力と「愛嬌」が“先生”には必要だと感じていた。そして、田村の存在を知りすぐにお願いにあがったところ、二つ返事で番組にのってもらった。

 嬉しかったのは私と同郷であったことだ。だから帰ってゆく道は「鯖街道」を通りたいと言ったとき、私はすぐ田村のそのアイディアにのった。

三好の句を読みながら、田村さんを思い出した。


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by yamato-y | 2007-02-08 15:52 | ふるさとへ | Comments(0)
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