2年目の春
2年前の本日、私は定年となった。その次の日からこのブログ「定年再出発」を書き始めた。ちょうど2年経過し記事も1300件近くとなる。思えばよく書いてきたものだ。
始めたときちょうどブログ元年と言われブームのはじめだったこともあって、その勢いに乗るかたちで書き続けることができたと思う。そもそもは定年という通過儀礼をどうやってやり過ごすか迷ったことから、このブログに向かったのだ。やはり「現役」を離れるということは大きなエネルギーを奪うということは、その後を思い返せば納得する。
その喪失していくエネルギーを食い止めたいという思いで、「再出発」と名づけたのだ。そして2年経った。
鮮やかな再出発になったかというとそうはいえない。内心忸怩たるものがある。
だが、大江さんの言う「生き延びる(outglow)」ことが出来たかと思う。倒れず、覚束ない足取りながら歩き続けることができた。ようやく第2の人生マラソン、最初の3キロを無事通過できた。
藤沢周平の小説を読みながらしみじみ思う。この遅咲きの作家が、前半生の苦難を晩年に至って実り豊かなものに変えていったことの驚異を。
初期の藤沢の作品は陰惨な匂いが漂っている。が、晩年の作品には老人特有のユーモアが漂っているのだ。控えめで慎ましいこの作家が、思いもかけない冗談をもらすのだ。一瞬気がつかずそのまま読み進め、途中で「あれ、もしかして」と読み返すと実にたあいのない軽口をたたいていたりする。
こういう軽みを身につけた藤沢の人生に、豊かさを思うのだ。あやかりたい。
宮本隆治アナが定年をむかえ、4月からフリーになるという。彼はちょうど私より2年下になるのだ。「冬のソナタ特番」でいっしょして以来親しくなったが、この人はとても真面目だ。第2の人生をフリーでスタートするのは賢明だと思う。これからも頑張っていってもらいたい。彼のNHK現役最後の番組は3月31日放送の「春のワルツ特番」になるはずだ。
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