納豆ダイエットの捏造
今朝の新聞一面トップに〈「納豆で減量」実験捏造〉という大見出しが出た。
フジテレビ系の番組「あるある大事典」で放送された納豆がダイエットに効果があるという内容に誤りがあったと読売新聞は報じている。スポーツ新聞などでも大きな見出しが躍っている。
やはりという感じがした。この番組が放送された後、納豆人気が高まり製造元では生産が間に合わないほどになっていた。一回の食事で納豆2パック食するということで大量に納豆が求められていたのだ。この騒ぎを知ったとき何か変だなと思った。
納豆は昔から食卓にのぼっているし、健康食品であることは知られている。だがダイエットに効果があるというのはついぞ耳にしたことがないし、食べて痩せるというのは奇妙だなと思った。案の定、実験した8人のコレステロール値、中性脂肪値、血糖値の測定はしていない。納豆の食べ方を変えて測定したとする実験結果は架空だった。つまりダイエット効果を示すデータが改竄捏造されたということだ。
番組に都合の良いようにデータを作り変えたとするなら問題であるし、ありもしないデータを捏造したとすれば忌々しき問題だ。
局の信頼を揺さぶる大問題のはずだが、今回の「あるある」はフジ本体でなく系列の関西テレビの下請けが行ったと言うことで、局の責任の所在がずいぶん矮小化されている気がしてならない。しかもその下請けの制作会社は過去にも同様の前歴があるといって、いかにもその会社の体質の問題といわんばかりだが果たしてどうであろう。実はその局の上層部もある程度知っていたのはないだろうか。そういう話題になるような「作り」を暗黙に認めていたのではないだろうか。
新聞の解説は、この問題の原因は孫受けに委託したためにデータの検証があいまいになったという。これでは孫受けとなる中小の制作プロダクションは知的レベルが低いから信用できないといわんばかりではないか。そんなはずはない。さらに、解説子は「制作過程の監視体制の強化」を求めているが、これは表現行為の中で強調されることではない。監視するのではなく番組の主題をスタッフ全体に正確な理解把握に努めさせるべきであって、発注元の放送局の監視権限の強化などはあってはならないと思う。
今、大手テレビ局の収益はかなりいいと聞くが、下請けに発注されるときの制作費は10年前に比べるとかなり圧縮させられている。かつ発注元の厳しい要求(多少問題があっても、視聴率がとれて話題になるような番組作りをして)が課せられている。下請け、孫請けの制作会社はかなり厳しい経営を余儀なくされている。
私にはこの問題は視聴率偏重、下請けイジメから発しているのではないかと思えてならない。この番組の打ち切りが検討されていると聞くが、これでまた民放の数少ない非バラエティ系の番組が一つなくなるのか。そしてまた愚にもつかないお笑いタレントのトーク番組ばかりになってゆくのだろうか。
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