伊丹市立美術館で開かれる
半月ほど前、見知らぬ人から電話があった。大阪、伊丹の美術館の人からだ。
何だろうと思って出てみると、先日放送した「椎名誠・絵本を旅する」について聞きたいということであった。
その番組で、山下洋輔さんがピアノを弾きながら絵本を朗読したというのは本当ですか、と電話の女性は問うのだ。あれ、この人は番組を見ていないのだなとすぐ思った。気が重く「はい、それが何か」とぶっきら棒に答えた。今になれば、ずいぶん冷たい声音だったと思うが、こういう問い合わせが一番苦手なのだ。というより好きでない。番組を見てもいないで情報だけ聞かれるのは、制作者として口惜しいのだ。
「その絵本は元永定正さんが描いた『もけら もけら』でしょうか。」「その通りです。」
今度、伊丹の美術館でその元永定正の展覧会を行うので、その番組を見せてもらえないかというのだ。まいったな。原則としてそういうリクエストには答えることはできない。そういう具合に応じていると際限なく続くから、ルールとしてそれはやっていないと答えた。
代わりに、その番組のビデオを所有していると思われる人物を紹介した。
その美術館のキューレーターから本日手紙が届いた。そこに元永定正の展覧会の案内があった。
元永さんは今年84歳になる。奥さんの中辻悦子さんもグラフィックデザイナーであり絵本作家だ。はじめて知った。しかも99年には谷川俊太郎さんといっしょに作った「よるのようちえん」で世界絵本原画展でグランプリを受賞していた。つまり、夫婦で絵本を作っている。この二人で絵本の原画展が来年1月6日から伊丹市立美術館で開かれるという案内が届いたというわけだ。
案内をぱらぱらと見るだけで楽しそうな展覧会だ。84歳と69歳の夫婦が作る楽しい絵本の数々。ふたりはもーやんとえっちゃんと呼ばれて、伊丹近郊に住んでいるそうだ。
年が明けたら、一度見に行くかなあ。
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