映像的漫画的面白さ
例によって、週末マイシアターのためにTSUTAYAでDVDを2本レンタルした。
「リンダ・リンダ・リンダ」と「下妻物語」だ。このところ日本の若手監督の力量を計りたいと邦画を見ることが多い。
2本並べるとすごく作品の特徴やノリがよく分かるものだ。
最初に「リンダ」から見始めた。それなりに青春映画としてよく出来ていると聞いていたので。青春のサークルものだと予想して見始めた。あのヒット曲「リンダ・リンダ・リンダ」を使っての突っ走る青春ものとふんでオープニングを見守ったが、重い。ヘビーだ。テンポが悪い。現在(いま)風高校生の無気力的シラケ的風情を意識しての演出かもしれないが、セリフはぼそぼそ、仕草もたらたら。そうして5,6分経過したあたりで、「リンダ」の曲にめぐりあった女の子らがはしゃいで歌い始める。唐突だ。
別にリアルでシリアスな作品を期待しているわけではないが、あまりに日常的な世界がだらだら続くには呆れた。「ウォーターボーイズ」だって「フラガール物語」だってもっと早く物語りの「展開力」がさっさと提示され動きだしていたのに。やたら高校生の「終わりなき日常」をたらたらとやっているのには耐えられない。10分過ぎに見るのを放棄。
ここが映画館で見るのと違うところ。映画館へ行けばつまらない映画に出会っても、そこから途中離脱するのは容易ではないが、ホームシアターはいとも簡単だ。420円より時間の無駄遣いのほうが大切だから。
「下妻物語」は円谷プロダクションの森島プロデューサーが推薦してくれた作品だ。最初から“漫画”だと承知していた。というのはロココ好きの女の子とヤンキーの女の子の組み合わせ、嶽本のばらの原作とくれば、突飛なことは起こるにちがいないとふんでいたのだ。
想像通り、とてつもなく突飛で漫画的なタイトルバックから入り、主人公深田恭子が関西から下妻までやって来る経緯も実に素早く手際よく面白くまとめられていた。アイドル映画の一種だろうが、篠原涼子、樹木希林 、宮迫博之らのうまい役者が早くから登場して、「一生懸命のお笑い」というのが分かりやすい。ヤンキー娘の土屋アンナが可愛い。
物語の中盤の後半あたりでやや停滞するが、とにかく終わりまで観客を引っ張ってゆく。
終盤ではきっちり仕掛けの回収が行われ、すとんと観客はそのツボにはまるのだ。この映画の中島哲也 監督はCFの世界からやって来たと聞くが、なかなかの才人だ。近作「嫌われ松子の一生」も評判がいいから見たいのだが、DVDがリリースされたばかりでTSUTAYAの棚はすべてレンタル中だった。その理由が「下妻」を見てよく分かった。
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