山口小夜子さん
モデルの山口小夜子さんと、これまでに3回ほど食事をしたことがある。最初のときは緊張した。なにせ、あの世界に知られたSAYOKOだよ。フランス料理を食べても味が分からなかった。
昭和48年、私が大阪にいた頃、街角のあちこちで資生堂の専属モデルとしての彼女のポスターが貼られてあった。黒い髪に切れ長の目、抜群のスタイルで圧倒的存在感を示していた。昭和52年、彼女は米国「ニューズウィーク」誌から、世界のトップモデルの6人の一人に選ばれることになる。折紙付きの美女だ。
その後、山口小夜子の活動はファッションだけでなく音楽や演劇、ダンスとパフォーマンスの域まで広がってゆく。映画にも多数出演した。寺山修司の演出する世界にはたびたび登場する。後に知るが、彼女自身中学生の頃から寺山の詩集を愛読していた。
山口さんとの最初の仕事は1998年に担当した「世界わが心の旅」だ。彼女はモロッコを旅したのだ。しかも都市部ではなく砂漠を越え険しい山を登ったところに住む先住民ベルベルの村を訪れたのである。意外だった。美しく着飾ったモデルがこんな辺境の地を歩くとはと訝しく思った。
ところが実際に会って話をすると、先入観とはまったく違って、活発で話し好きで好奇心の旺盛な人だった。モロッコの旅の動機はベルベルの民の美しい民俗衣装とそれを育んだ風土を見たいということだった。この番組が明日の朝、再放送される。アフリカのアトラス山系の雄大な大地を旅する山口小夜子は、きっとこれまでの彼女のイメージを裏切るに違いない。
この仕事がきっかけで、その後私は彼女の「課外授業・ようこそ先輩」を作ることになる。これは横浜の小学校で、小夜子さんが大活躍をする番組だ。そのことについては機会を改めて書きたい。
放送日:11月16日、午前5時から 衛星第2放送 「世界わが心の旅」
モロッコ・ベルベルの少女の瞳
旅人:山口小夜子
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