「私は虫である」の放送を終えて
たった今アーカイブスの中の私の番組が終わった。加賀美さんが丁寧に番組の紹介をしてくれた。嬉しかったな。
15年も前に制作したのだが、ナレーションのコメントの一つ一つ、編集したときのカットの一個一個にこめた思いが思い出された。
取材した空間は1キロ四方の中、登場人物はわずか3人、といういたってシンプルな作り。それは、この物語を作ろうと思いたったときから決意していた。〈絶対に、この場所以外の場面を撮影しない、夫婦と少年以外は登場させない〉
繰り返し見ても必ず胸がいっぱいになるのは、直人くんのシーンだ。彼が当時流行っていた天地真理の「もしもあなたが」をハミングする。その顔から彼が帰って行く画に移ってゆく、あのシークェンスだ。直人くんのやさしいハミングが、この番組を見終わってもずっと耳朶に響くのだ。
私は、この番組を編集しながら、直人くんの将来に幸多かれと心から祈ったことを、思い出す。
この番組を、他の人たちはどんなふうに見てくれたのだろう。それが知りたい。
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