グランプリが決まった
明日のスポーツ新聞には、ATP賞グランプリとでかでか載るかもしれないが、ここで先に口走ってしまおう。
ドラマが選ばれた。戦後60年企画「祖国」選ばれた。私は不満である。
冗談じゃない。たった13本しかエントリーされなかったドラマに対して、ドキュメンタリーは58本応募があったのだ。それなりのレベルの作品だ。
私が見るところ、ドキュメンタリーのレベルは相当高かったが、ドラマはどんぐりの背比べ。たいして見るべきものがなかった。
いろいろな配慮もあったかもしれないが、納得いかない。
といって、これは無記名投票の結果だから、別に不正が行われたわけではない。
やっぱり素人(とあえて言いたい、これはやや驕慢な言い方だと自覚はするが、そう言わないと腹の虫がおさまらない)は、読みやすいドラマという形式に引かれるのだろうか。
なぜ、ドキュメンタリーの緻密な表現に目がいかないのだろう。選ばれたドラマは普通の水準で、たいしたことはなかった。前半のミステリー手法の部分は面白かったが、本論の日本人の戦争体験という場に入ると、まったく月並みだった。「雨月物語」のような伝奇性と企画書には書かれていたが、それは私の見るところ実現されていない。比較としてミゾグチを提出するのは僭越ではないかとすら思った。
脚本が、あの山田洋次が担当したから点数があまくなったのか。昨年は、ドキュメンタリーがグランプリを獲得したので、今年はジャンルを変えたのか。
私が見るところ、「ダッカハイジャック事件」か「48時間の約束」、はたまた「60年目の恋文」かと期待していた。
と縷々述べたが、繰り返すが不正があったわけではない。私の評価と、審査員全体の評価がくいちがったというわけだ。
本当に、批評というのは難しいものだ。
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