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タルコフスキーの映像

冷たい戦争の時代の終わりに2

タルコフスキーの名前を教えてくれたのは大江さんである。1987年当時、大江さんは彼の代表作『ストーカー』に魅了されていた。映像の深さを評価していた。

映画『ストーカー』は、『惑星ソラリス』で有名になったアンドレイ・タルコフスキー監督の2本目のSF大作である。原作は、ロシアSF界の第一人者である、アルカージーとボリスのストルガツキー兄弟による「路傍のピクニック」。映画のシナリオ化も原作者自らの書き下ろしている。

原作の「路傍のピクニック」とはこんな物語だ。――あるとき超文明をもった異星人が地球に立ち寄った。彼らは別に地球人と接触もせずしばらくいて立ち去った。得体の知れない物だけが残された。まるで、ピクニック来た一行が後にゴミを残したようなものである。異星人にはその程度のものであったが、地球人にとってはそれはとんでもない災厄を残したことになった。人々はその区域を「ゾーン」と呼ぶようになる。

ゾーンは厳重な国際管理のもとに置かれる。国際地球文化研究所の一線の研究者たちが調べるが謎は解けない。人智を超えていた。それどころか、このゾーンと関わると死が訪れると噂がたつ。ゾーンは立ち入り禁止区域となった。
だが、このゾーンに侵入して、物品を盗み出す密猟者(ストーカー)がいた。彼らのなかで伝説が生まれた。ゾーンの奥深くに「黄金の玉」という遺留品があって、それを手にすればどんな望みも叶うという伝説だ。命知らずのストーカーシュハルトはそれを求めてゾーンの奥へと侵入してゆく。

映画「ストーカー」はこの「路傍のピクニック」の後半4分の1を中心に脚色された。映画のストーリーはこうだ。隕石の落下かそれとも宇宙人の来訪か、何が起きたのか分からないが、ゾーンと呼ばれる不思議な地域があった。ゾーンには、人間の一番切実な望みをかなえる「部屋」があるといわれていた。そこで、禁を犯してゾーンに侵入しようとする者たち2人が現われる。彼らを「部屋」まで案内する者がストーカー(密猟者)だ。
侵入を企てる二人は、一人は作家、もう一人は物理学者である。ストーカーを含めた3人は厳しい警戒を振り切ってゾーンへ入ってゆく。そして、そこで目にしたのはフシギなことが次々に起こるフシギな空間であった。
ゾーンの中に入ると突然、何者が発したかわからない「止まれ、動くな!」という声が響く。急に霧がたちこめて行手を阻まれる。ゾーンでは周囲の風景も、自然も刻一刻と変化するのだ。風が吹き、大地が揺らぐ、まるでゾーン自体が生き物のようだ。
そして、ついに「部屋」の入口にたどりつく。「部屋」を眼前にして、三人とも無事にここ にたどりついたことを喜ぶストーカー。突然、物理学の教授は爆弾をリュックから取り出す。教授はこの危険なものは破壊する以外ないと思いつめていたのだ。・・・・・

『ストーカー』はSF映画だが特撮技術は使われていない。CG技術も当時は未発達だから当然ない。だが映像は独得の幻想をたたえている。どうやって撮影したのか現在でも分からない不思議なカットがたくさんある。奇天烈なものが出てくるわけではない。水たまり、火、風、そよぐ草木、降り始めた雨――ありふれた日常的な情景が異様なものをたたえ奇妙に見えるのだ。
ゾーンの奥に入ってゆくと、画面は水気が全体に漂う。水面に接するかのようにして眠るストーカー。その前を浮遊するように歩く犬。タルコフスキー独特の映像言語が駆使される。

能楽を見ていると睡魔に襲われることがある。この「ストーカー」もそういう構造を備えていると思えてならない。幾度見ても、ある箇所の記憶がないのだ。一瞬眠りに観客は落ちる。

大江さんと「世界はヒロシマを覚えているか」という番組の企画を構想したとき、タルコフスキーのような映像にしたいですねと、大江さんがぽろっと言った。これを聞いて、Kカメラマンは飛び上がった。


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タルコフスキーの映像_c0048132_22181658.jpg

by yamato-y | 2006-08-29 22:11 | シリーズ作品回顧 | Comments(0)
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