気になる漫画[単身花日」
長く、漫画を読まなかったが、最近またときどき読む。といっても「ビッグコミック」だけだが。本誌とオリジナルが最近いい。
「釣りバカ日誌」は、アメリカの買収劇の騒動がテンポよく小気味いい。弘兼の「黄昏流星群」は私と同年代の話なのでせつなくていいのだが、今週の医者と中年女性の再会は先が読めてつまらない。もはやこのパターンは終わった。「岳―みんなの山」という私の知らない作家のものが意外によかった。これは、このあとクライミングセンターを中心に進めば面白いと思う。くれぐれも信州回帰だけはやめてほしい。
と、読んできて巻頭にもどってドキッとした。昔好きだった「ぼっけもん」の作家が登場しているではないか。どうやら、今週が初回らしい。タイトル「単身花日」とある。舞台は――、やっぱり鹿児島だ。画はずいぶん洗練されたが、コマ運びキャラクターとも昔と変らない。あの「ぼっけもん」のような熱いドラマとなりそうだ。コミックスを買う楽しみが出てきた。
「単身花日」の物語発端が気になった。単身赴任する主人公の動機づけだ。転勤で子供がいじめに遭うのが耐えられないから、単身に決めたというのだ。彼自身、幼い頃親の仕事で転校しているのだが、あの当時と今では違うと主張する。
先日、息子と親の転勤、子の転校で大議論になった。親父の頃は平気で子供を転校させたが今の子連れはそんなことしないというのだ。子供が就学年齢に達していなくても、単身で赴任するのが今の若い父親像だと、息子は言った。言外にあんたのような子連れ転勤なんて乱暴なことはしない、デリカシーがないからそういう野蛮が出来たのだと、批判した。
私にも言い分があるから、頭にきて口喧嘩となったが、今回の「単身花日」ではもろその動機が描かれている。偶然とはいえ、気になる。
それにしても、「ぼっけもん」はよかったな。主人公の不器用でまっしぐらの愛が気にいって、毎回欠かさず読んだ。涙の最終回は、「紫電改のタカ」以来だ。大人になって漫画を読んで光り物を流したのは「ぼっけもん」のほかにない。
その作者の久々の作品だ。おおいに期待する。
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