演出されたニュース
事件や事故が起きたとき、いち早く情報として伝えるものをニュースと呼ぶ。
ニュースという要件は速報性、情報性である。「見せる」という手法にこだわる必要はないだろう。発生した出来事を素早く広く正確に伝えるということに眼目があるはず。
だから、ニュースにはさまざまな特権が認められている。例えば、著作権を有する写真や絵画を使用する場合でも、原則許認可を必要とされない。所有権より緊急性、公益性が優先するという考え方にたつのだ。
同じ写真や絵画でも、番組に使用する場合はそういうわけにはいかない。著作権者に敬意を表すうえでも、同意と使用料の支払いが義務付けられる。
このように、ニュースは一刻も早く世間に伝え、社会を防衛するという役目から、特権が許されているはずだが、その真意を理解していると思えない現象が起きている。
ニュースが始まると、5W1Hの基本は度外視して、謎掛けから始まる、演出された報道が目につくようになった。
●オープニング
●シュレッダーの刃先 ナレーション「予想していないことが起こりました」
●救急車の赤ランプ点滅
これは、2歳の幼児がシュレッダーに手をはさまれたという事件の報道だ。だが、この映像の流れではすぐに理解できない。むしろ、何か起きた、何かあったのだろうか、という視聴者の「好奇心」をあおるような作り方だ。ニュースはそういう見せ方に凝る必要があるのだろうか。
同様に、最近ニュース映像に音楽をかぶせることが多い。音楽は非明示的にその映像に価値を付ける。それはニュースの公正性に対していかがなものか。
以前アメリカ、NBCを調べたことがある。そこではニュースについてずいぶん厳しいルールを作っていた。それに比べると日本のニュースは次第にショー化していると思われる。
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