あの空で
8月15日、夕方5時過ぎの空を撮影した。
高層に雲がある。海原にも薄い雲がある。
空の色はすっかり秋だ。少し早いかもしれないが、「処暑」といえるだろう。
下界はざわついているが、天上は何とも言えず穏やかだ。日が翳ってさらに日暮がはげしく鳴く。
少年の頃、軍記が好きだった。戦争映画も漫画もよく見よく読んだ。予科練、特攻、ということに憧れその悲壮な最期に心を震わせたものだ。
そういう物語を飾る背景は、いつも空であり雲だった。
「紺碧の空遠く」「雲流るる果てに」
今日は久しぶりに海水浴に行こうと思ったら家人が止めた。お盆は地獄の釜の蓋が開いて死者がもどってくる。そういうときは足を引っ張られやすいのだと、いうのだ。
湘南の海の沖を眺めていると、南方の遥か洋上や密林で倒れた魂魄が雲の道を通って帰ってくる気がする。
6時過ぎ、名古屋にいる息子が帰ってきた。久しぶりに一家四人が揃った。
食事をしながら近況を聞いた。転勤するということがどれほど子供に負担を与えるかという話になった。息子も娘も長崎、成増、広島、大磯と父の仕事の都合で学校や地域を転転とした。変わるというのは、どういうことになるか、あんたは考えたことがあるかと追及された。
激して長時間話し合うことになった。気がついたら11時を回っていた。
ニュース23を見たら、中国、韓国の動きとともに、加藤紘一代議士の実家が放火されたようだと、伝えている。下界の騒ぎを、帰ってきた魂魄はどう見ているのだろうか。
明けて16日の朝、ジジッと蝉が鳴いている。風はあるが昨日より暑い。晴れていると思ったら雨がぱらぱらと来た。天気雨だ。雲が西へすごい早さで流れている。
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