吉村昭の死
これから本郷のスタジオへ行く。ETV特集「戦争へのまなざし・映画作家黒木和雄の世界」のナレーション録音作業だ。
渋谷から本郷というのはけっこう不便なので、早めに出かける。
その出掛けに、作家の吉村昭氏が死去したことを、同僚から聞かされる。驚いた。
死因はすい臓がんだったという。吉村さんはダンディな人だから、死に際しても周到にその日を迎えたのではないか。
好きな作家だった。長崎の物語が多いので、土地鑑がある私にはとても面白かった。
『破獄』のような面白い小説もあるが、なんといっても『戦艦武蔵』のようなルポに近い記録文学スタイルが好きだった。
時間がないので、慌しくしか書けない。今、担当している番組の目処が立ったら、また吉村昭を読んでみたい。
氏の自伝的作品に「冷たい夏・・・」と言う題があったと記憶する。作者自身、結核で病んでいる終戦直後に兄か弟がやはり病死する顛末を描いた暗く重い作品だ。その「冷たい夏」という言葉を思い出した。
合掌
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